工繊大,境界面の反射光の振る舞いを動画で記録

京都工芸繊維大学の研究グループは,光の振動方向と光の反射率に関する法則に従う,超高速な光の振る舞いのスローモーション動画記録に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。

研究グループは,3次元画像技術であるホログラフィーと超短パルスレーザーを組み合わせた,光パルスの伝播をスローモーション動画に記録可能な技術に関する研究を行なってきた。

また,人の目では判別できない,光がもつ偏光情報も同時に記録する技術を近年開発した。この技術は,偏光情報の取得のために,1度の記録で4種類の超高速動画像を同時に記録する。しかし,この技術を用いた,偏光の超高速な振る舞いの記録と結果の定量評価は未報告だった。

この研究では,超短光パルスが伝播する様子の動画記録とスローモーション観察に加え,その光の振動方向を可視化できる超高速イメージング技術を用いて,異なる物質の境界面で反射する光が,その振動方向ごとに異なる振る舞いを示す様子を記録した。

記録対象として,空気とガラスの境界面にブリュースター角で入射する直線偏光の光パルスを採用した。ブリュースター角での偏光の特異な振る舞いは約200年前に発見され,光学に関するほとんどの教科書で紹介されているほど知れ渡っているが,ブリュースター角で入射する光の振る舞いを静止画ではなく動画で記録した例はこれまでになかった。

この研究で用いた技術は,超短光パルスの伝播の様子のスローモーション動画像記録と偏光情報の取得が可能となる。その特長は,直線偏光の干渉の性質を利用してホログラムを記録する点。ホログラフィーにおいて,記録対象の情報を持った物体光と参照光とで偏光方向が同じ場合には再生像が明るくなる。

一方,物体光と参照光の偏光方向が直交している場合には再生される像は暗くなる。ホログラムを空間的に区切り,この干渉の性質を全区画で同時に記録することで,一度の記録で物体光を構成する複数の偏光成分の振る舞いをスローモーション動画として観察できる。

この研究では,光パルスを空気とガラスの境界面にブリュースター角で入射させるために,立体的な光路を構築した。入射させる光パルスの偏光方向は,p偏光成分とs偏光成分の大きさが等しい 45°直線偏光に調整した。s偏光成分(この研究では0°偏光成分)のみが反射光として現れる様子スローモーション動画で観察できた。

全反射顕微鏡に新たな機能を付加した超高速全反射動画像顕微鏡の創出へ展開することで,生体分子など超高速機能の解明や理解への貢献が期待されるとしている。

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