大阪大学の研究グループは,レーザーとマイクロ構造体との相互作用を通じて,従来の方式とは全く異なる機構でギガガウス級の超強磁場を自己発生させる物理原理を提案し数値実験でこれを実証した(ニュースリリース)。
これまで超高磁場を実験室で生成する手法としては,あらかじめ存在する外部磁場をプラズマや物質で圧縮する磁束圧縮法が主流だった。たとえば Z ピンチや磁場付き燃料の圧縮では,初期磁場が必要であり,構造的な制約や実験の難しさがあった。より柔軟かつ簡便に,外部磁場なしで超強磁場を生成する手法の開発が望まれてきた。
研究グループは,内壁に鋸歯状ブレード構造を持つマイクロチューブに超短パルスレーザーを照射することで,外部磁場を一切使わずにギガガウス級(109G)の超高磁場を自己生成する新手法を提案・実証した。レーザーによって駆動された電子・イオンの渦流が構造非対称性と相まってループ電流を誘導し,自己組織的に磁場が形成される。
研究グループは,この研究は,宇宙ジェットや中性子星表層のような超強磁場環境を実験室スケールで再現可能にする基盤的技術として,さらに将来的には核融合,量子電磁力学(QED)効果の検証,あるいは新たな磁場制御技術への応用が期待されるとしている。
