自家消費型太陽光発電市場,2030年度に4.7倍

富士経済は,2019年11月以降,順次買取契約を終える卒固定価格買取制度(FIT)電気の活用に注目が集まる太陽電池および太陽光発電関連市場を調査し,その結果を「2019年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめた(ニュースリリース)。

これによると,自家消費型太陽光発電システム国内市場は,パリ協定の発効により世界的な脱炭素化の取り組みが拡大し,ESG投資への注目が高まったことや,電力系統側での電気料金の上昇,太陽電池の価格下落による発電コストの低下,FITに基づく買取価格の減額などを受けて拡大している。市場の先細りが避けられないFIT売電型に代わって,自家消費型が伸長するとみている。

住宅用は,ZEHの普及や蓄電システムを導入する住宅の増加により,自家消費型の市場が拡大しているという。非住宅用は,ESG投資を進める企業の環境戦略や,電気料金コストの低減などを目的に需要増加が期待され,2023年度から2024年度頃には半数が自家消費型になると予測する。

■太陽電池国内市場

市場はFITによって需要が形成されてきたが,同制度のインセンティブ低下を受けて2015年度に金額ベースでは縮小した。2018年度は,FIT改正法による認定遅延や事業者側の対応などで混乱が生じていた低圧案件が好調に推移したことや,未稼働案件の認定期限が迫っている高圧・特高案件が駆け込み需要により伸長したことから,出力ベースでは前年度比で伸びた。

2019年度も引き続き高圧・特高案件の駆け込み需要が増加するとみる。2021年度以降,未稼働認定案件の着工一巡に伴い,低圧や高圧・特高案件は大幅な縮小を予想している。

■太陽電池世界市場

市場は,これまでけん引してきた中国の需要が2018年の政府による導入抑制政策により落ち込んだものの,米国,インド,日本において一定の大きな需要があることや,オーストラリアやドイツなどでは需要が増加しているため,出力ベースでは伸び率は鈍化するものの拡大していくとみる。

金額ベースでは中国メーカーの価格競争により結晶系太陽電池の単価が下落し,2018年は縮小した。単価は底値に近づいているとみるが,市場はゆるやかな縮小が続くと予測する。長期的には中国で価格競争から変換効率の向上による高付加価値化への転換を目指すメーカーが増加していることや,世界で再生可能エネルギーへの投資が増加していることから需要拡大が期待できるとしている。

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