京都賞に宮坂力氏など3人が受賞 ペロブスカイト太陽電池の生みの親

稲盛財団は第41回(2026年)京都賞の受賞者を発表した。先端技術部門において、次世代太陽光発電技術である「ペロブスカイト太陽電池」を創成した功績により、化学者で桐蔭横浜大学大学院工学研究科特任教授および早稲田大学特命教授の宮坂力氏が選出された。(ニュースリリース

(写真)京都賞先端技術部門を受賞した宮坂力氏

宮坂氏は、新概念のペロブスカイト太陽電池を世界に先駆けて提唱し、軽量かつ柔軟という、従来の太陽電池の常識を覆す次世代電源のあり方を提示した。この技術は、シリコン型では設置が困難だった場所への応用を可能にするなど、エネルギーの将来像に大きな変革をもたらすものとして期待されている。また、同氏は実用化に向けた課題である鉛の含有による環境負荷の軽減や、動作寿命の改善といった取り組みにおいても主導的な役割を果たしており、世界のエネルギー問題の解決に向けて多大な影響を与え続けている。

今回の受賞を受け、宮坂氏は、現代社会の日常生活の持続にはエネルギーの確保が欠かせないものであると述べた上で、日本発の技術としてペロブスカイト太陽電池が選ばれたことに対し「感慨無量です」とコメントを寄せている。同時に、自らの研究を支えた大学院生や若手研究者たちの努力についても深く感謝の意を表した。

基礎科学部門においては、海洋微生物学者のファルーク・アザム氏が選ばれた。アザム氏は、海洋生態系の炭素循環における「微生物ループ」の役割を解明した。従来は食物網から失われると考えられていた溶存有機炭素が、細菌などを介して再び食物網へ回帰することを示し、海洋生態学および生物地球化学に決定的な変革をもたらした功績が評価された。

思想・芸術部門では、マルチメディア・アーティストのローリー・アンダーソン氏が受賞した。同氏は電子メディアを駆使し、実験的でポップなサウンド、声、そして身体を融合させた独自のマルチメディア・パフォーマンスを確立した。テクノロジーを用いながら領域を横断する活動は、芸術表現の新たな地平を切り拓いたとされる

授賞式は2026年11月10日に国立京都国際会館にて執り行われる予定であり、受賞者にはにはそれぞれディプロマ、京都賞メダル、および賞金1億円が贈られる。また、翌11月11日には同会場にて、氏の業績や人生観に触れることができる記念講演会の開催も予定されている。

関連記事:宮坂力氏のインタビュー(2025年4月)はこちら

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