阪大,極低濃度アンモニア検出用蛍光材料を開発

大阪大学は,極低濃度のアンモニアを選択的に検出できる材料の開発に成功した(ニュースリリース)。

これまで低濃度のガスの検出には通常,半導体式ガスセンサーが用いられてきたが,類似ガスへの選択性が低いという課題があった。

研究グループは,トリフェニルメチルアミンと芳香族スルホン酸および芳香族カルボン酸の有機酸から構成される多孔性有機結晶の研究に長年取組んできた。これらの多孔性有機結晶は,筒状や層状,カプセル状の空孔領域をもち,それにより刺激を与えるさまざまな化学種を固体内部までとりこみやすいため,外部刺激応答性材料として適している。

今回の研究では,有機酸としてシアノアクリル酸誘導体を用いた蛍光性の多孔性有機結晶を開発した。結晶中に存在するカプセル状の空孔が「分子ふるい」として機能することで,一酸化炭素などの無機ガスのほか,アセトン等の揮発性有機物質や,トリメチルアミン等の類似化合物を吸着せず,アンモニアだけを高選択的に吸着し,蛍光発光の変化として応答することを見出した。また,50ppbという極低濃度でも検出できることを確認した。

研究グループは,今回の研究成果により,例えば公衆衛生分野において実験室等の作業環境で発生する有害なアンモニアの計測や,医学分野において肝臓や腎機能との相関が示唆されている呼気中のアンモニアの計測など,低濃度のアンモニアを高い精度で計測することが求められる分野への応用が期待できるとしている。

その他関連ニュース

  • 市大,紫外線でフォトアクチュエーター素子を剥離 2021年04月20日
  • 理研ら,コロナを1分子レベルで5分以内に蛍光検出 2021年04月20日
  • NEDOプロ,光学経皮ガスセンサー評価環境を構築 2021年03月31日
  • 東工大,相境界を人工的に形成し電気抵抗率を操作 2021年03月22日
  • 医科歯科大ら,偏光観測向け蛍光標識技術を開発 2021年03月12日
  • 東薬大,水に溶けない有機蛍光色素を水溶化 2021年02月24日
  • 名大ら,無機結晶に柔粘性結晶の格子変調を発見 2021年02月22日
  • 名大ら,光で結晶のシワの運動が変化するのを観測 2021年02月18日