TI,ADB向けDLPチップセットを発売

米テキサスインスツルメンツ(TI)は,高解像度ヘッドライト・システム向け「DLP5531-Q1」チップセットを発売した(ニュースリリース)。

このチップセットにより,ADB技術による自動車のヘッドライトの細かな制御が可能となり,自動車メーカーやティア1サプライヤはそれぞれのヘッドライトで100万以上のピクセルを個別に制御できるようになる。

DLPチップセットは,アルミニウム製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を中心に構成される。DMDには,数十万または数百万の個別に制御されたマイクロミラーが格納されている。それぞれのミラーを動かすことで入射光の反射方向を決める。

DMDは動作周波数が高くピクセルサイズが小さいため,高速な動作と低いシステムレイテンシーを実現する。この結果,自動車メーカーは道路を照射する光をさらに細かく制御でき,ドライバーの視認性を高めるヘッドランプシステムが構築できる。

この製品は,LEDや蛍光体を介したレーザー,レーザーによる直接光源など,あらゆる光源と連携でき,既存の配光可能ヘッドランプ(ADB)ソリューションよりも消費電力の少ない,小型でスタイリッシュなレンズを使用するように設計できる。さらに,暗い状況での観察距離や視認性を高めるために光線を高度に制御できるという。

現行のADBは,ランプの個々のLEDを消灯するか,光線を対向車線に対して下向きや横向きに変更する。他にはハイビームとロービームを切り替えたり,自動車が曲がるときに光線の方向も変えたりする機能を持つ。

この場合,事前に定義された照射パターンを使用することはできても,状況に応じてにリアルタイムに光線を制御することは難しい。しかしこの製品は解像度が高く,照射パターンも自在にコントロールできるため,道路標識に照射をして認識するといったADAS機能を有効にできるとする。

また,歩行者や対向車のドライバーなどに対してまぶしさを軽減できる。多くのピクセルを使用することでシステム・レイテンシを短縮し,高い精度のADBを実現でき,人工知能ベースの予測アルゴリズムで物体の次の移動先を予測する必要性もなくなるとしている。

さらに,歩行者に信号やサインを送り,自動車が次に行なうことを伝えるコミュニケーションを強化するためにも有効。また,ドライバーに対しては,シンボルの投影や表示によって,ナビゲーションのサポートを強化できる。この製品は,-40°Cから105°Cの間で動作し,温度や偏光に関係なくクリアなイメージの視認性を実現できるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 東北大、MEMSでダイヤモンド光デバイスの共鳴波長制御に成功

    東北大学は、超ナノ微結晶ダイヤモンド(UNCD)製フォトニック結晶とMEMSアクチュエータを集積した新しいダイヤモンド光デバイスを開発し、MEMSによる機械的変形を用いて共鳴波長を制御することに成功した(ニュースリリース…

    2026.06.18
  • ウシオ、光電融合デバイスでも実績がある、一括投影露光装置の最新モデルを受注へ

    ウシオ電機は、ウェハ向け一括投影露光装置UX-4シリーズの新製品として、LED光源を搭載した「UX-44101SCB」および「UX-45114SCB」を開発し、2026年7月より受注を開始する(ニュースリリース)。UX-…

    2026.06.08
  • 東北大、単層シリコン基板で6G向けテラヘルツ光スイッチを実証

    東北大学大学院工学研究科・教授の金森義明氏らの研究グループは、次世代の6G通信への応用が期待されるテラヘルツ帯で動作する光スイッチの開発に成功した(ニュースリリース)。このデバイスは、微小な機械構造を駆動するMEMS技術…

    2026.05.08
  • 日本学士院賞に伊賀健一氏、小山二三夫氏、江刺正喜氏など―VCSELとMEMSの先駆的研究を評価

    日本学士院は2026年3月12日、第1197回総会において、学術上の功績が顕著な科学者を顕彰する「日本学士院賞」を決定した。今回の受賞者には、光技術およびマイクロシステム分野において革新的な業績を挙げた、東京科学大学(旧…

    2026.03.19
  • 農工大ら,室温動作する広帯域テラヘルツセンサ開発

    東京農工大学,中国科学院,兵庫県立大学は,シリコン素材を用いて室温動作可能であり高速・高感度で広帯域検出可能なテラヘルツMEMSボロメータの開発に成功した(ニュースリリース)。 テラヘルツ(THz)計測技術の社会実装を進…

    2025.07.18

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア