国循ら,心臓3Dモデルの量産化技術を開発

国立循環器病研究センター(国循)と3Dモデリングサービスのクロスエフェクトは,両者が医工連携により共同開発を進めてきた臓器シミュレーションモデル「心臓レプリカ」において,SCREENホールディングスと共栄社化学の協力のもと,新しい臓器造形システムを開発したと発表した(ニュースリリース)。

これまで国循とクロスエフェクトは,患者のCTスキャン画像に基づき,精密3Dプリンタ技術である「光造形法」と新しい鋳型技術である「真空注型法」を応用して,立体構造が複雑な小児の心臓形状を内腔までリアルに再現したテイラーメイドの「心臓レプリカ」の開発・制作を行なってきた。

この心臓レプリカは,複雑な先天性心疾患患者の個別の術前シミュレーションツールや若手医師の教育ツールとして,現在活用が進められようとしている。しかし,心臓レプリカは,個別生産のために制作に最短で約4~5日間を必要とし,量産化が困難な傾向にあることから,医師の要請に応じていかに迅速にオンデマンドに提供できるかが課題となっていた。

今回国循は,SCREENの協力を得て,実際の心臓に近い感触のレプリカをダイレクトに量産できる臓器造形システムを新たに開発した。このシステムは,SCREEN独自の画像処理技術と直接描画技術をベースに,精密インクジェットプリンタ技術を応用して3次元造形装置を開発したもので,心臓レプリカの制作期間を最短2日間にまで短縮できる。

また,レプリカの質感に大きく関わるインク材料に関しては,特殊モノマー・オリゴマーに強みを持つ化学品メーカーである共栄社化学が協力し,心臓の質感に極めて近いインク剤を新たに開発し,臓器レプリカとして高い品質を実現した。

今後は国循とクロスエフェクトが評価改良を実施し,1年後をめどに量産化を実用レベルにまで引き上げる。小児のみならず成人心疾患や大動脈疾患のレプリカの提供を加え,高度な心臓大血管外科手術の支援や技術者の育成に貢献したいとしている。

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