高効率化が進む太陽電池―実用化に向けての技術開発が活発化

シャープ,変換効率22.3%の裏面電極型太陽電池セルを開発

シャープが開発したのは変換効率22.3%を達成した結晶シリコン裏面電極型太陽電池セルだ。これは現在,同社が量産しているBLACKSOLARの次世代セルとして開発を進めているもので,今回新たに裏面側にa-Si層を形成することで,電圧値と電流値を高め,高効率化を図ったという。開発したセルは17mm角だが,今後は量産化技術の確立を目指すとしている。

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同社は昨年,37.7%という変換効率を達成した3層化合物太陽電池セルの開発を発表している。これまで化合物太陽電池では発電しないデッドエリアが存在していたが,この面積を縮小させることで受光性能を高めた。これにより,従来の36.9%から0.8ポイントの高効率化が実現した。また短縮電流密度は14.1mA/cm2から14.6 mA/cm2に向上させた。同社によれば,将来的には40%以上の高効率化を目指すとしている。さらに,変換効率11.9%の色素増感型太陽電池セルの開発も発表した。新たな色素材を開発したことで達成したものとしており,今後高効率化とともに,長寿命化に取り組み,実用化を目指すとしている。