著者:井筒雅之
Y染色体は消滅の危機にあるそうです(黒岩、“Yの悲劇”、2024)。ご存じの通り、人の細胞核には(大多数の場合)46本の染色体があって、その内44本は父親からと母親からの染色体が組となり22の対になっています。残りの2本が性染色体、XとYと名付けられていて、女性は2本のX染色体、男性ではXとYの2本の染色体を持っています。すなわち、細胞核にY染色体がある場合に男性となります。Y染色体はX染色体に比べてかなり小型で、また興味深いのは、将来的にY染色体が消え去る運命にあることが生物学の分野では定説らしいことです。では、いつ頃消滅するのか、数千年後か100万年後か分かりません(が、その頃人類が存続しているのかはもっと重要かも)。Y染色体を既に無くしてしまった種(ある種の齧歯類)も研究されていて、今もちゃんと子孫を残しているとのことです。さらに、最近、発生初期のマウスのXY型(オス)胚でY染色体を除去し代理母に移植するとメス(ただしXO型)の仔を出産したとの報告もあります(MIT Tech. Rev., 2026/08/15)。Y染色体の存在意義が疑われます。

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