著者:熟成考房舎 鴫原正義
たった3色でも重要な役割を…
自転車運転に対する「交通反則通告制度」が今年4月1日に施行されました。信号無視やスマホのながら運転、通行区分違反などが16歳以上の自転車利用者に適用されます。交通事故は、交通手段の高速化や多様化、交通環境の整備などの変化と共にその要因も変わってきました。そんな中で交通安全を確保するための信号機は重要な役割を担っています。今回はそんな信号機の話題です。
最初の信号機は鉄道から
信号機の始まりは産業革命期に生まれた蒸気機関の発明からともいえるでしょう。1804年にジョージ・スチーブンソン(1781−1848)が蒸気機関車による旅客鉄道事業を始めた当初は、鉄道の要所要所に配置した見張り番が手で合図していました。その後、速度が速くなると見張り番を増やし、手旗信号を使うようになります。さらにロープで結んだボールを高く吊るすと「進行」、低いと「停止」を示すような信号機が現れ、1840年代には「腕木式信号機」が発明されました。柱に取り付けられた腕木の角度で「進行/停止」の合図をするのです。ちなみにこの腕木式は、1793年にフランスのクロード・シャップ(1763−1805)が発明した機械式の手旗信号のような「腕木通信」に由来したものでした。3本の腕木の角度を変えた構図(文字コード)を望遠鏡で読み取り情報を伝達するのです。しかし、交通用の信号機には文字コードを示すような複雑な構造は不要で、「進行/停止」を表示するために腕木の角度を変えるだけの簡素な構造になっています。
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