-最近の開発成果をお聞かせください。
2016年,東京大学の小林洋平先生をプロジェクトリーダーとした新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクト「高輝度・高効率次世代レーザー技術開発」で250J・10Hz級を目標にした開発を推進しました。プロジェクト期間中は運転リスクを避け250Jを0.2Hzを実証しました。
2025年8月には200J・10Hzを達成し,翌9月にフランス・トゥールで開催された慣性融合科学とその応用の国際会議IFSA(第13回 International Conference on Inertial Fusion Sciences and Applications)でも報告しました。これにより英国ラザフォード・アップルトン研究所(以下,ラザフォード研)の150J・10Hzのベンチマークを更新できたと考えています。

繰り返し核融合技術の進展では(株)EX-Fusionと連携し,直径1mmの金属球(模擬ペレット)を10Hzで落下させ,1ビームをビームステアで追従・命中させる実験を実施しました。命中率50%超を確認し,当社の半導体励起大出力レーザー技術と(株)EX-Fusionのターゲット供給・投射技術とのシナジーを示せました。

加速する大学との連携,しのぎを削る海外研究機関との繋がり
-産学連携の現状は
大阪大学レーザー科学研究所内に浜松ホトニクス先端光技術共同研究部門を設置し,発電炉用ドライバーレーザーの要素・基盤技術を共同で研究しています。
一方,産業応用では東京大学の「TACMIコンソーシアム」に参画し,当社の産業開発研究センターをサテライトとして半導体微細加工等の次世代レーザー加工技術の社会実装に向けた開発を進めています。なおトヨタ自動車とのレーザーフュージョン共同研究は終了していますが,光産業創成大学院大学を介した交流は継続しています。
-海外の開発動向についてどのように見ていますか
この10年ほど100〜数百J ・ 10~100Hzが各国共通の開発ターゲットでした。メガジュール級はアメリカのローレンス・リバモア国立研究所(以下,LLNL)が進めていましたが,10Hz級の開発では大阪大学とLLNLが1990年代から切磋琢磨し,その後はラザフォード研が加速しました。私達は今,200J・10Hzを達成し,一つの大きな節目を越えた手応えを感じています。
さらにLLNLが主導する「The STARFIRE Hub」というレーザーフュージョンの産業化を推進する国際的な枠組みに「半導体レーザーワーキンググループ」(以下,WG)があり,最近当社はこのWGに参画しました。欧米日の半導体レーザーのメーカー,研究機関など8者でレーザードライバーを励起する半導体レーザーの共通課題を議論していきます。しっかりと日本の半導体レーザー技術の存在感を示していきたいと思います。




