レーザ加工の基礎の基礎【1】

1. レーザ加工の基礎

1.1 レーザは材料に照射される

レーザビームは,太陽の光やあるいは燃焼の熱よりもはるかに強力なエネルギーを材料に照射することができる(図1)。

すべてのレーザ加工プロセスは,レーザビームが材料に照射されるという同じ方法で始まる。レーザが材料に照射された後,加工プロセスがはじまる。しかし,そこでは,さまざまな加工現象が存在する。ある加工は,航空機のエンジンのタービンプレートに冷却のための穴をあけることであり,別の加工は,歯を磨くブラシの上に何かの字を書くことである。フラットベッド板金レーザ切断機では,レーザビームは,のこぎりの歯を切り出すこともできる。レーザビームと材料の相互作用は,それぞれの加工プロセスのための基礎である。材料の性質とレーザビームの性質が,レーザ加工の過程で何が起こるかということを決めている。

図1 レーザビームの出力密度は高い
図1 レーザビームの出力密度は高い

すべての材料では,レーザビームが照射された時に“反射”と“吸収”と“透過”がおこる。材料は,レーザビームの一部を吸収するし,また,一部のレーザビームは反射する。さらに残りのレーザビームは,材料と反応しないでそのまま通過する(透過)。吸収,反射,透過の間の比は,材料に依存して変化する。例えば,材料が金属であれば,透過は起こらない。“反射”“吸収”“透過”の割合を,“反射率”“吸収率”“透過率”とよび,反射率+吸収率+透過率=1の関係が成り立つ(図2)。

図2 レーザビームの材料への入射,反射,吸収,透過
図2 レーザビームの材料への入射,反射,吸収,透過

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