東北大学などの研究グループは、3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuのナノCTと機械学習(マニフォールド学習)を組み合わせ、多孔質構造からガス拡散係数を短時間で予測する手法を開発した(ニュースリリース)。この手法を実際に固体高分子形燃料電池(PEMFC)の触媒層に適用し、約5%の誤差で拡散係数を予測できることも実証した。
燃料電池の性能は、触媒層のナノスケール多孔質構造に大きく依存するが、従来は非破壊での構造観察や物性評価が困難だった。今回、X線タイコグラフィによるナノCTで三次元構造を可視化し、その特徴量を機械学習で解析することで、構造と拡散特性の相関を構築。これにより、構造データから直接物性を推定できるようにした。

さらに、本手法は約10秒で予測が可能であり、放射光施設での観察後にその場で性能評価を行える点が大きな特長だ。これにより、多様な試料の比較や材料設計・製造条件の最適化を迅速に進めることができるとしている。
今後は、イオン伝導や電気・熱特性などへの拡張や,劣化挙動の予測を含むデジタルツイン技術への発展も期待される。高出力・長寿命な燃料電池の実現に向けた材料開発を加速する基盤技術として注目される。



