阪大、多孔質な窒化炭素光触媒を合成する方法を開発

大阪大学の研究グループは、水酸化メラミン誘導体を加熱焼成する簡単な操作により多孔質窒化炭素(CN)光触媒を合成する方法を開発した(ニュースリリース)。

(図)(a)メラミン(b)アンメリン、アンメリドを加熱して合成したCN光触媒

CN光触媒は、メラミンなどの安価な原料を加熱焼成して簡単に合成できる有機半導体光触媒として有望視されているが、比表面積が小さいため、光触媒活性が低い課題があった。比表面積の大きなCN光触媒を合成する方法はこれまで多数研究されているが、いずれの方法も多段階の工程や、強酸または強塩基を必要とする方法だった。

研究グループは、簡便に比表面積の大きなCN光触媒を合成する方法の開発に取り組んだ。従来、CN光触媒は、メラミンを加熱焼成して合成される。加熱によって生成したメレムと呼ばれる中間体が共有結合や水素結合により連結してシート状構造をつくる。

さらにこれらがスタッキングして層状のCN光触媒を生成する。しかし、この方法では緻密なネットワークが形成されてしまうため、比表面積が小さくなり、光触媒活性が低くなる。

研究グループは、メラミンの3つの末端アミノ基(–NH2)の一つまたは二つが水酸基(–OH)に置き換わった、水酸化メラミン(アンメリン、アンメリド)を使う合成法を開発した。これらの水酸化メラミン粉末を加熱焼成すると、水酸基が脱離して欠陥となり、細孔をもった多孔質CN光触媒が生成する。これらのCN光触媒の比表面積は、メラミンから合成したCN光触媒の5倍以上となる。

これらのCN光触媒を水に懸濁させ、疑似太陽光により可視光(l>420nm)を照射したときのH2生成量は、アンメリンおよびアンメリドから合成したCN(アンメリン)、CN(アンメリド)は、メラミンから合成したCN(メラミン)よりも著しく高いH2生成活性を示した。

(図)各CN光触媒を水に懸濁させて疑似太陽光(可視光)を照射した場合のH2生成量の時間関係

この光触媒活性の向上は、比表面積の増大と比例しており、今回の方法により合成したCN光触媒がH2生成に有効であることが分かった。

なお、CN(アンメリド)光触媒に420nmの単色光を照射した場合のH2生成反応の光量子収率は4.1%だった。この効率は、これまでに報告されたCN光触媒と比べて高く、このCN光触媒は簡便に合成できるにも関わらず高い効率で光触媒反応を進めることが分かった。また、この触媒は繰り返し使用した場合にも活性は低下せず、安定的にH2を生成することが分かった。

研究グループは、今回の研究成果により大量生産を見据えた光触媒合成、ならびにH2製造技術の社会実装が期待できるとしている。

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