
東京ビッグサイトで2025年10月30日(木)から11月9日(日)まで開催中の「Japan Mobility Show 2025(ジャパンモビリティショー)」に先駆け10月29日のプレスデーに取材に訪れた。
まず創業110周年を迎えた小糸製作所を訪れた。同社は2030年に向けた「KOITO VISION~人と地球の未来を照らす~」に基づき,次世代モビリティ社会の安全・安心に向け,「ライティング」「センシング」「コミュニケーション」の3つの軸で光の可能性を追求し,宇宙に広がる最先端技術を紹介していた。

高精細ADB(Adaptive Driving Beam)
ドライバーに最適な夜間視界を提供するライティング技術である「高精細ADB」。これは,16000分割のLEDを個別に制御することで,対向車や前走車に対するハイビームの消灯範囲を最小にし,ドライバーの夜間走行時の視界を最大化するという。
また,歩行者にもまぶしさを与えないよう,ハイビームを減光したり,道路標識の反射を抑えるよう,光量をきめ細かく調整するなど,より精密な配光制御を可能にする。
ドライバーモニター連動AFS
交通事故ゼロ社会の実現を目指し,デンソー・J-QuAD DYNAMICSと協業し,実証実験を推進中の「ドライバーモニター連動AFS」。開発中のAFSは,曲がる前に進行方向が明るくなることで安全確認でき,ドライバーモニターで顔向き・目線を検知,動きに合わせて目線の先を照らすことができるという。

ILLUMIERE
周囲を正確に検知するセンサ技術である「ILLUMIERE」。LiDARを活用した人やクルマの数や動きを正確に把握し,可視化する。①検知:個人を特定しない,正確な位置測定,広い検知範囲と拡張性。②認識:移動体を人やクルマ等,任意の対象に識別,カメラが苦手とする夜間や対象の重なりも3Dで識別。③処理:対象の数量や導線を判断し,画像・地図・表・アラートなどの情報を出力。現在,工場内の安全支援や工程改善,広場やイベントの混雑状況や人流の把握など,さまざまなシチュエーションにおける課題解決やDX推進などへの活用が進展している。

コミュニケーションコンセプトモック
光によるコミュニケーション機能を車両に搭載したコンセプトモックを日本初出展。光の演出でクルマの状態・ドライバーの意思 (メッセージ)を周りの交通参加者へ視覚的に伝えることで,クルマと人,クルマとクルマのコミュニケーションをサポートし,次世代モビリティ社会においても安全で円滑な交通社会を実現する技術を紹介していた。
月面探査用有人与圧ローバー向け船外照明
トヨタ自動車と同社が,JAXAと研究開発を進めている月面での探査活動に必要な有人与圧ローバー(トヨタ自動車愛称:ルナクルーザー)向け船外照明のコンセプトモック。月面は,昼夜の寒暖差が非常に大きく,その温度差は300℃程度あり,加えて放射能,真空,月面を覆う砂礫(レゴリス)など過酷な環境に対応するため,高い耐久性や信頼性を実現した照明器を開発しているという。
次に,自動運転時代に不可欠な安全性の向上と円滑なコミュニケーションを実現するライティング・ソリューションを展示している市光工業を取材した。

e-Grille
スタイリングトレンドと自動車の電動化・自動化という技術トレンドに合致した,新しい時代に向けたライティングとセンサーを統合した商品。フロントフェイス全体に拡がる信号灯と融合し高度な先進運転支援システム(ADAS)に必要なセンサーを内蔵することで,効率的な部品構成と高い意匠性を両立できる。

路面描画プロジェクションランプ
より安全・安心な交通社会の実現を目指した新しい技術。歩行者や二輪車などの道路利用者とのコミュニケーションを目的とし,周囲の道路利用者に車両の動きや危険を分かり易く伝え,接触事故の低減を目指す。走行音の静かな電気自動車や,死角の多いトラックやバスなどの大型車両においても効果的だという。

HDライティング
ヘッドランプの照射範囲を2万ピクセルに分割して個別に制御する技術。ハイビームの配光制御に加えて,ロービーム照射範囲を高解像度化することで記号などの路面描画を可能にし,将来の自動運転市場に向けても交通利用者への円滑なコミュニケーションや安全性を向上させるとしている。

e-Face
自動運転車から周囲の交通利用者へのコミュニケーションを支援する外向けHMI(ヒューマンマシンインターフェース)。自動運転中の車両の状況に合わせて「自動運転状態」「車の動き」「右左折」「あいさつ」などの意味するサインを文字や表情で表示し,通常ドライバーが行なう周囲の交通利用者とのコミュニケーションの一部をe-Faceが代替するという。