名古屋大学・特別教授の赤﨑勇氏(故人),同大未来材料・システム研究所・教授の天野浩氏らが研究開発した青色発光ダイオード(青色LED)が,IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)により「IEEE Milestone」に認定された(ニュースリリース)。
IEEE Milestoneは,電気・電子の分野において達成された画期的なイノベーションの中で,開発から少なくとも25年以上経過し,社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を認定する制度。青色LEDの発明は,高効率な白色光源による省エネルギーの実現や環境負荷低減への貢献などのイノベーションをもたらしたことが評価された。
赤色と緑色のLEDは1960年代に実用化されていたが,青色LEDの実現には大きな技術的障壁があった。青色光を発するには約2.6eVの広いバンドギャップを持つ半導体が必要で,従来の材料(SiやGaAs)では不可能だった。候補として挙がった窒化ガリウム(GaN)は,基板との格子不整合や結晶成長の困難さから,1980年頃には多くの研究者は開発を諦めていた。
研究グループがGaNによる結晶成長を行なったことにより,サファイア基板上にAlN緩衝層を導入することで,格子不整合を緩和し,滑らかなGaN結晶の成長に成功。さらにMgをドープしたGaNに低エネルギー電子線照射処理(LEEBI)を行うことで,世界初のp型GaNを実現した。また,これらの技術を組み合わせて,1989年に世界初のGaNpn接合青色LEDを点灯させることに成功。1993年には,InGaNを用いたダブルヘテロ型高輝度青色LEDの開発に成功し,量産化への道を開いた。
青色LEDの発明は白色光源の実現を可能にした。省エネ・長寿命・高品質な照明が普及し,医療・通信・エレクトロニクスなど多分野に波及。2014年にはノーベル物理学賞を受賞するなど,科学と社会に大きな影響を与えたとしている。




