産業技術総合研究所(産総研),中部電力は,太陽光パネルのカバーガラスに含まれる希少元素アンチモン(Sb)を抽出するためのプロセスを開発した(ニュースリリース)。
太陽光パネルの構成品の一つであるカバーガラスは,多くの場合アンチモンを添加することで透明性を高めている。太陽光パネルの多くが耐用年数を迎える2030年代後半にはカバーガラスを大量に処理しなければならなくなることから,カバーガラスからアンチモンを効率的に分離・回収する技術の開発が求められている。
今回の研究では,ガラスが結晶化する過程でアンチモンが結晶構造内に取り込まれない現象を利用して,ガラスの溶出と結晶化がなされる最低限の温度領域で水熱処理する手法によってアンチモン含有成分の抽出が可能であることを見出したという。
このプロセスを経た後のガラス粉末における蛍光X線(XRF)分析から,約8割のアンチモンが抽出されていることを確認した。これにより,カバーガラスからのアンチモンの分離・回収に向けた技術開発が進むことが期待されている。
今後は社会実装に向け,抽出メカニズムのさらなる理解によるアンチモン含有成分抽出の高効率化と反応スケールの大型化を行なうという。また,抽出したアンチモン含有成分からのアンチモンの分離・回収・リサイクル技術の開発を進め,得られる結晶化ガラス粉末の有効活用を目指すとしている。




