電気通信大学,帯広協会病院,血流スコープなどを開発する徳は,独自に開発した解析ソフトウエアを用いて,指先の毛細血管の観察により特定の血液成分の変化を非侵襲で捉えることに成功した(ニュースリリース)。
毛細血管顕微鏡画像法は,体の最も細い毛細血管を非侵襲で直接観察できることから健康・保険・美容等のさまざまな分野で広く普及している。
研究グループは,腎疾患患者を対象に,透析治療の直前と直後に爪郭部の毛細血管を毛細血管顕微鏡画像法により撮影した。得られた画像に対して研究グループが開発した独自の解析ソフトウエアを用いて,毛細血管の形や血液の流れ,さらに画像の明るさやコントラストなど計22項目の画像情報を取得した。
つぎに,得られた画像情報と透析前後に行なった採血の結果とを網羅的に比較し,血液成分との相関を調べた。
血液透析の前後に測定した毛細血管顕微鏡画像と血液検査の結果を比較した結果,血液中の尿素窒素,コレステロール,無機リンやマグネシウムの濃度等と連動して変化する画像信号があることがわかった。一方,従来の評価手法である毛細血管の形や流速の計測では,血液透析前後において統計的に有意な違いは得られなかった。
また,腎疾患患者の毛細血管画像は不鮮明な場合が多く,ソフトウエアで解析できた症例数は全体の約70%にとどまった。そこで,毛細血管がはっきりと見えない状態でも評価できる方法について検討したところ,毛細血管周囲の組織の画像信号にも血液の状態変化を反映する信号成分があることが分かったという。
研究グループは今後,日常の生活において非侵襲で血液の状態をモニタリングする血液ヘルスケア技術への応用発展が期待される成果だとしている。




