出光興産は,蛍光型青色材料を用いた有機EL素子分野において,積層型発光層素子の詳細解析を実施し,世界最高レベルの発光効率の実現と長寿命化を達成した(ニュースリリース)。
有機ELディスプレーを構成する赤色,緑色,青色の画素に用いられる発光素子のうち,青色発光素子は唯一の蛍光型素子であり,発光効率と長寿命化に課題がある。
積層型発光層素子とは,蛍光型素子の発光過程のうち,電荷の再結合とTTFを起こす領域を分離させた素子。機能を分離することで発光ロスを抑え,発光効率の向上と長寿命化の両立が可能となる。
同社は積層型発光層の独自の機能分離発光に着目し,そのメカニズムの詳細解析を行なった。そして,各層に最適な材料設計をすることで,現在実用化されているトップエミッションデバイスにおいて,さらなる発光効率の向上と長寿命化を達成した。
開発した蛍光型青色材料を用いた有機EL素子の性能概要は以下の通り。
方式 : 積層型発光層を用いた青色蛍光有機EL素子
LT95 : 200時間以上(電流密度50mA/cm2の駆動条件の結果)
効率 : 350 (Cd/A/CIE-y)(電流密度10mA/cm2の駆動条件の結果)
色度 :(0.14,0.042)(CIE1931色度座標)