東大ら,力を色で可視化するウェアラブルセンサ開発

東京大学と深圳先進技術研究院は,色の変化で力を可視化するウェアラブルセンサを開発した(ニュースリリース)。

力を可視化するメカノクロミック素材は色々あるが,定量的に力を読み取ることができるものは多くない。

研究グループは,ポリジアセチレンの研究において,力の大きさだけでなく,力の向きがスマート素材の応答を左右することを発見した。

ポリジアセチレンは,熱,pH,光,水,機械的刺激,金属イオン,有機溶媒,生体分子といった多彩な刺激に反応し,青から赤へと色が変化し,蛍光を発光する。このユニークなメカノクロミズム特性は,食品安全,スマートパッケージ,医療診断などの最先端分野ですでに応用が進んでいる。

研究グループは、独自に開発したナノ摩擦力/蛍光複合顕微鏡の合体装置を用いて,ポリジアセチレンを構成する高分子主鎖に対して垂直方向に力を加えたとき,蛍光強度が倍増することを突き止めた。この現象は,力を加えた局所点から数百nm先まで力の影響が伝播するドミノ効果によって説明することができた。

さらにこの知見を活かし,指の曲げ動作で生じる力を感知するウェアラブルセンサを開発した。ポリジアセチレンの主鎖を力の方向に対して垂直に配置することで,感度を最大14倍に向上させることに成功した。

研究グループは,電池を使わずに身近な力を可視化できる力センサにより,床ずれや靴底にかかる力の分布,部品間の摩擦などを容易に測定でき,健康や安全の向上に貢献することが期待されるほか,この素材の活用をウェアラブルデバイスやソフトロボティクスといった応用領域へ飛躍的に拡大するとしている。

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