東芝ら,ナノ欠陥をワンショットで3D形状に可視化

東芝と東芝情報システムは,生産現場における外観検査において,製品の表面の極微小なナノスケールの高低差を持つ欠陥(キズなど)を1枚の撮像画像から3D形状に瞬時に可視化する新たなワンショット光学検査技術を開発した(ニュースリリース)。

東芝は,従来より,微小な欠陥を可視化するワンショット光学検査技術の開発に取り組んできた。カメラによる撮像画像を用いる検査手法においては,対象を面で捉えるエリアカメラと,線で捉えるラインカメラがある。

エリアカメラは面が広い対象物の検査,ラインカメラは製品が連続的に高速に流れるライン上での外観検査にそれぞれ適している。東芝は,反射光分布をBRDFと呼ばれる分布関数として取得するワンショットBRDFの開発を進め,2019年にはエリアカメラ向け,2022年にはラインカメラ向けの技術開発に成功し,東芝情報システムが販売推進を行なっている。

双方の技術とも高低差がマイクロスケールの微小な欠陥を検出するが,半導体ウエハーのように,より高い精度の検出が求められる半導体分野においては,欠陥有無の判定だけでなく,深さ・大きさ・形状に応じた修復作業を実施するためにも,高低差がナノスケールの極微小な欠陥を含めて高精度かつ高速に3Dで検出する技術が求められていた。

両社は,カラーフィルターを従来の同心円状からマルチカラーのストライプ状に変更し,対象物表面の3D形状を数十ミリ角の視野で1枚撮像し,その画像から高低差がナノスケールの極微小欠陥を検出する光学検査技術を開発した。

新技術では,数十ミリ角の視野を1回で撮像(ワンショット)する光学系と,マルチカラーのストライプ状カラーフィルターで構成しており,検査対象からの反射光の方向分布を色の分布画像として取得する。

反射光分布はBRDFと呼ばれる関数によって記述するが,ストライプ状カラーフィルターを採用することで,反射光の角度と色の種類が直接対応できる関係となり,反射光の角度分布をより高精度に得られるようになった。

さらに,得られた反射光角度分布を入力し,対象物表面の3D形状(高さ分布)を出力とする独自の計算アルゴリズムを開発し,DNNを用いて新規に実装した。これは訓練データを不要とする独自のアルゴリズムで,対象物表面の傾斜角度と高さ分布の関係を,物理式を利用して学習する。

これにより,検査対象の表面形状が複雑でも,欠陥検査には充分な誤差数ナノメートル以内で表面の3D形状を再構築することが出来るようになった。

研究グループは,今後は,この技術のシステム全体としての有効性を高め,半導体製造工程への早期の導入を目指すとしている。

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