岐阜大,少データで高度判定する外観検査AIを開発

岐阜大学の研究グループは,大規模視覚言語AIを基に,少ないデータから高度な判定を行なう汎用外観検査AIを開発した(ニュースリリース)。

あらゆる製品の生産現場においては,製品品質の確保と生産効率の向上が求められている。しかし,従来のAI自動検査方法では個々の製品に特化したデータが多量に必要で,AIの導入が難しい状況だった。また,AIによる外観検査では,判断根拠がわからないという説明性の問題がありった。

一方,生成AIをはじめ,近年のAI技術の発展で,言語と画像を高度に理解し,広い一般知識を持ったAIが登場した。しかし,これらは外観検査という特殊な知識は持っていなかった。そこで,大量の外観検査画像とその説明文を学習したAIを開発した。

さらに,In-Context Learning(少数の例から学習を行ない,未知のデータに対して推論を行なう手法)を用いて,少ない例示だけで検査対象に特化した知識を付加することに成功した。

また,大規模Vision and Languageモデル(大規模言語モデル(自然言語認識)と画像認識モデルを持ったAI)を用いたことで,不良と判定した理由を言語として出力することが可能となった。これにより,AI外観検査における説明性の問題は大きく改善されたという。

現在は,特定の検査に限ってこの研究の有効性が確認されている。研究グループは今後,さらに大量のデータで学習し,モデルの改良による精度向上や汎用化,より複雑な例示を可能とするよう改良を行なっていく。これにより,手軽に,短時間で高精度な外観検査システムを構築できるようになるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 【解説】IOWN AI ファンドが示す、AI時代のフォトニクス産業の広がり

    AIインフラの重心が、AIモデルを作るための大規模な設備から、完成したAIを現場に近い場所で動かす仕組みへ移りつつある。NTTなどが2026年6月10日付で発表した投資ファンド「IOWN AI Fund」(関連記事)が注…

    2026.06.23
  • 光電融合技術、実装課題と市場の行方を議論

    「今後のAI普及のカギは光電融合技術になるといっても過言ではない」―このように語られたのは、電子・実装技術の専門展『JPCA Show 2026』で開催されたイベント内でのことだ。JPCA Showは2026年6月10日…

    2026.06.17
  • NTTとグローバルパートナーが「IOWN AI Fund」を設立、次世代AI産業の基盤形成へ

    NTT、Young Sohn氏、SK Group、中華電信、および日本政策投資銀行は、AI時代の先端技術への投資を通じてIOWNエコシステムの構築と新たな事業創出を目指す投資ファンド「IOWN AI Fund」を組成した…

    2026.06.15
  • AIデータセンター投資が過熱、古河電工が光ファイバー関連事業を強化

    古河電気工業は2026年6月5日に事業説明会を開催し、光ソリューション領域の今後の事業方針を発表した。 光ソリューション領域長の浅尾真史氏は、2030年に向け「革新的な光ソリューションでAI時代のネットワークを構築し、社…

    2026.06.06
  • 【解説】NEDOが示した12の重点領域、光・レーザーの研究プロジェクトの行方は

    新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が6月1日に発表した「Innovation Outlook Ver. 1.0増補版」は、日本の産業技術が目指すべき新たな羅針盤となる報告書である(ニュースリリース)。今回の増…

    2026.06.03

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア