電通大,「偏光変調コム」の生成に成功

電気通信大学は,光周波数コム(光コム)の非常に高い位相制御性(コヒーレント制御性)を積極的に利用することで,複数の光コム(マルチ光コム)を用いた新しい光の操作・制御技術を開発した(ニュースリリース)。

光コムは,パルス光の繰り返し周波数と位相が極めて精密に制御された超短パルスレーザーで,周波数標準,距離測定,分光計測,イメージング,センシングなどの様々な分野において応用が拡がっている。

光コムは非常に高いコヒーレント制御性を本質的に有しているが,この性質はこれまで十分に利用されていなかった。この性質を活用できれば,光コム自体の自在なコントロールや光波制御,新しい計測技術の開発などが可能になると考えられる。

研究ではコヒーレント制御性に焦点を当て,従来の適用範囲を大きく超える新たな制御技術の研究に取り組んだ。光コムの位相制御の原理実証として,偏光制御に着目し,マルチ光コムを用いて任意の偏光状態を高速・高精度に生成して,その状態を検出する実験を行なった。

複数の光コムを空間的・時間的に重ね合わせると,その位相差に応じて,合成波パルスの偏光状態は,直線偏光,楕円偏光,円偏光などのさまざまな状態になる。実験の結果,マルチ光コムの各パラメータを適切に設定することにより,超短パルス列の任意の偏光状態を任意の周期で変えられる「偏光変調コム」を生成することに成功した。

具体的には,4ミリ秒の周期で4種類の偏光状態を繰り返す光コムや,18ナノ秒の周期で2種類の偏光状態が超高速スイッチングする光コムなどについて,独自の実験システムを用いて生成と検出に成功した。

研究グループは今回,偏光変調に着目して実験を行なったが,コヒーレント制御の適用範囲は非常に広く,さまざまな応用が期待されるとして,今後は自在な制御が可能な高機能コヒーレント光源や,高感度・高精度・多彩な対象の分光計測,材料開発などへの適用に向けて,実用化を見据えた研究開発を推進する予定だとしている。

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