レーザーで実現する未来の可能性

さらにレーザー学会が強みを発揮するには何が必要だと考えていらっしゃいますか

賛助会員数,産業界との連携という点では他の学会に比べて強いとは思います。が,国の政策・方針というのも学会の中に取り込んでいく必要があるということでしょうか。可能であれば,産官学のセッションを考えることができると面白くなるのではないかと思っているところです。

実は官を取り込んで上手くやり始めているものもあります。量子コンピューターであるとか核融合です。核融合に関しては産と学と官がかなり密に行なっています。そこにどう学会が位置付けられるかというのは,少し難しいところではありますが,レーザー核融合の場合には学会がドライブするところもあるのではないかという気がしています。

レーザー学会の取り組みの一つに学術年次大会があると思います。今年は広島で開催されましたが,大変活況な大会が続いていると感じています

レーザー学会では概ね大阪,東京,一部地方に行くという繰り返しで年次大会を開催してきました。それでも東京,大阪とそうでないところの地域というのは学会員の数も違いますし,産業界の人たちの数も違うので,東京,大阪以外のところではかなり負担が大きいものがあります。そのような課題の中で今回は広島で開催されました。広島で開催するのは実は初めてなのですが,現地実行委員の方たちがものすごく頑張られて,発表件数もこれまでで一番多くて大成功となりました。

ただ,これは本質的な問題を解決したわけではありません。これに対しては皆でアイデアを出し合いながら解決していく方法が必要かと思います。政府が地方創成ということを言っていますけれども,我々も東京,大阪だけでは絶対ダメだと思っています。それを解決できる答えはまだ明確に持っていませんが,検討していくことができればと考えています。

また,年次大会は任された地区の現地実行委員会が全てを決めているわけですけど,例えば,先ほどの量子コンピューターや核融合などといった日本が産官学連携で取り組むべきテーマをシリーズ化して企画することを学会本体がある程度主導して取り組むのが望ましいと考えています。そういったことを東京や大阪以外でも続けて行なっていくことによって,地域の温度差を少しでもなくしていければと思っています。繰り返しになりますが,これは非常に難しい問題ですので,皆さんからアイデアをいただく必要があると思っています。

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