可視光応答型ハイドロキシアパタイト系光触媒

3. まとめ

アパタイトのカルシウムの一部をバナジウムで置換したバナジウムアパタイトは,可視光照射下において光触媒活性を有することがわかった。近年,可視光応答型光触媒の開発は進み,他の光触媒材料と差別化しなくては意味がない。アパタイトは,有機物に対する高い吸着能,高い生体親和性を有していることから,他の光触媒材料では成し得ない応用が期待される。そのために,今後は,本稿で述べた光触媒能の評価法だけでなく,多角的な評価していくことが課題である。

謝辞

大腸菌に対する抗菌試験は,(独)物質・材料研究機構ナノテクノロジー融合ステーションの箕輪貴司氏の協力の下,行いました。深く感謝申し上げます。

参考文献
1)M, Tsukada, M. Wakamura, N, Yoshida, T. Watanabe, J. Mol. Catal. A Chem. 2011, 338, 18-23
2)M. Wakamura, K. Hashimoto, T. Watanabe, Langmuir, 2003, 19, 3428-3431

3)M. Nishikawa, L. H. Tan, Y. Nakabayashi, T. Hasegawa, W. Shiroishi, S. Kawahara, N. Saito, A. Nosaka, Y. Nosaka, J. Photochem. Photobio. A Chem. 2015, 311, 30-34

■Visible-light responsive Hydroxyapatite based photocatalysts
■Masami Nishikawa

■Nagaoka University of Technology

ニシカワ マサミ

所属:長岡技術科学大学

(月刊OPTRONICS 2015年12月号)

このコーナーの研究は技術移転を目指すものが中心で,実用化に向けた共同研究パートナーを求めています。掲載した研究に興味があり,執筆者とコンタクトを希望される方は編集部までご連絡ください。
また,このコーナーへの掲載を希望する研究をお持ちの若手研究者注)も随時募集しております。こちらもご連絡をお待ちしております。
月刊OPTRONICS編集部メールアドレス:editor@optronics.co.jp
注)若手研究者とは概ね40歳くらいまでを想定していますが,まずはお問い合わせください。

関連記事

  • レーザスライシングによる光学レンズ成形

    4. おわりに ガラスレンズ成形を実現する新たな手法として,レーザスライシングを紹介した。誰でも簡単に光学レンズを成形することが可能な加工法として実用化を試みている。本稿では紹介できなかったが,軸非対称の非球面レンズや,…

    2026.10.14
  • 宇宙の見えないものをレーザー干渉計で探る

    ただし,鏡で反射すると偏光面の回転の向きが反転するため,腕共振器の反射光を用いた場合,アクシオンによる偏光面変化の影響は打ち消されてしまう。一方,レーザー光が腕共振器を往復する時間が,アクシオン場の振動周期の奇数倍になる…

    2026.09.11
  • 日常光デジタルホログラフィ

    ミニインタビュー 田原先生に聞く ホログラフィ技術を用いて目指す日常と計測の未来 ─研究を始めたきっかけから 大学の学部生の時に受けた,ある先生の講義がきっかけです。その先生は,電磁気学という難しい物理現象を数学で記述す…

    2026.08.11
  • 金並みの導電性と赤外透明性を有する高耐久酸化物薄膜

    7. むすび 本稿では,PdCoO2やPtCoO2に代表される金属性デラフォサイトについて,金並みの導電性,高い近赤外域の光透過率,巨大仕事関数,高耐久性という観点から紹介した。これらの物質は,酸化物でありながらAuに匹…

    2026.06.23
  • 表面偏析と自己組織化を組み合わせたペロブスカイト太陽電池の自発的積層制御技術

    ミニインタビュー 石川先生に聞く 試行錯誤の先に見える,表面偏析研究の面白さ ─研究を始めたきっかけから もともと学生時代に有機薄膜太陽電池の研究をしていて,その中で表面偏析の制御に取り組んでいました。その流れで,ペロブ…

    2026.06.10

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア