東芝とLQUOM、量子中継技術を用いた長距離量子鍵配送(QKD)の共同研究を開始

株式会社東芝と横浜国立大学発のスタートアップであるLQUOM株式会社は、2026年3月19日、量子インターネットの実現を見据えた中長期的な技術基盤の構築およびエコシステム形成の一環として、量子鍵配送(QKD:Quantum Key Distribution)の長距離化に向けた共同研究契約を締結した(ニュースリリース)。

本共同研究では、量子通信における将来のネットワーク基盤技術として期待される「量子中継システム」と「QKDシステム」を組み合わせ、次世代QKDの長距離化に向けた技術的課題と実現性を詳細に検討する。

量子鍵配送(QKD)は、量子力学の原理を利用することで、量子コンピュータを用いても解読できない安全な暗号通信を実現する技術として注目されている。現在、金融、医療、エネルギーといった重要インフラ分野で社会実装に向けた取り組みが活発化しているが、さらなる長距離化や大規模ネットワーク化が技術的な大きな壁となっている。この課題を解決するのが、量子状態を損なうことなく長距離伝送を可能にする「量子中継」技術であり、QKDを含む量子通信の長距離化、すなわち量子インターネットの構築に不可欠な要素技術である。

(図)量子中継システムによる長距離量子鍵配送

2026年3月から2027年3月まで実施される本共同研究では、性能面と実装面の双方から、長距離量子鍵配送の実現に向けた最適な技術の組み合わせを模索する。東芝は長年培ってきたQKDに関する方式検討を、LQUOMは量子中継システムに関する方式検討をそれぞれ担当する。

1999年からQKDの研究開発をリードしてきた東芝は、2020年より事業化を開始しており、量子もつれ光源や量子中継といった将来の量子ネットワーク実現に向けた基盤研究も推進している。一方のLQUOMは、量子中継器の開発に必要な基礎技術を保有し、量子もつれを用いた方式によって絶対安全な次世代ネットワークの実用化を目指す気鋭のスタートアップである。東芝は2023年にCVCを通じてLQUOMに出資しており、今回の共同研究はこの連携をさらに加速させるものとなる。両社は本研究で得られる知見を量子通信分野の研究開発に活用し、安全・安心な次世代情報インフラの実現に貢献するとしている。

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