世界最大の光技術イベントで感じた「変化の兆し」 Photonics West 2026

潮目が変わったのか

【写真】ブース近くのスペースで、資料を示しながら打ち合わせ。

 数年来、PWではビッグネームのブース配置が固定化され、展示内容も大きくは変わっていない。このため、展示ラインアップに進展はあるものの、「代り映えしない」と感じる人は少なからずいたはずで、来場者の減少もその印象を強くしている。

 PWの公式発表によると、来場者数は24,000人台から23,000人台へ減り、学術会議の発表論文数も前年比マイナス。拡大基調だった流れが足踏み状態に陥り、潮目は変わりつつある。

 体感的に中国人の来場者は例年より少なく、この要因の一つと考えられる。中国企業のブースでは社名やパネルから中国色が排除され、受付や説明スタッフに欧米人を配置するなど、一見すると中国企業とは分からない「カモフラージュ出展」も多かった。全体レイアウト、来場者構成を再検討するきっかけの年となるかもしれない。

 初開催の「Vison Tech」については、AR/VR/MR Expoに隣接しての展示で、両展がうまく融合し、にぎわっている印象だった。来年以降、次世代ディスプレイとマシンビジョンを合わせた展示会としてどこまで伸びるかも楽しみといえる。

 新規分野での大手の攻勢とスタートアップの誕生・淘汰—。今回のPWで垣間見えた変化は今後、市場の動きにもなって表れてくるだろう。変化を先取りし、体感できる点でもPWの定点観測の重要性は高いといえる。

 残念だったのは、出展社向けのレビューMTGの内容が貧弱で、期待した情報が発信されず、なかには運営主体の体制変化を懸念した出展社もいたほどだ。

PRISM AWARDS 2026の授賞式も盛大に

 SPIEが主催する「PRISM AWARDS」は、光学およびフォトニクス分野における革新的な製品を表彰する国際的な賞。例年、Photonics Westの期間中に授賞式を行ない、業界の最新技術や製品を表彰する。

 今年は、IPGフォトニクスの8kWファイバーレーザー、TOPTICAフォトニクスの原子時計、Seagateの熱アシスト(レーザーアシスト)HDDヘッドなどが受賞。ここでも大手の存在感が際立っていた。

第17回PRISM AWARDSの受賞企業・製品はこちら:
IPGフォトニクス社など9社が2026 SPIE Prism Awardsを受賞

【写真】ステージ上でトロフィーを手に笑顔を見せる、PRISM AWARDSの受賞者たち。

 

【記者の目】
今回初めてPhotonics Westを取材したが、会場に足を一歩踏み入れた瞬間、海外展示会のスケールの違いに圧倒された。「海外企業のブースには、技術のトップが常に立っており、得られる情報量が違う」(日本の来場者)との言葉通り、現場にはキーパーソンが集まり、新たなビジネスが動き出す予兆を肌で感じた。4月に横浜で開催されるOPIEをはじめ日本の展示会も、この熱量に負けない盛り上がりを期待したい。(望月あゆ子)

 

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