NTTは、将来の自動運転社会の実現を目指す事業会社「NTTモビリティ」を12月15日付で設立し、同17日に報道関係者向けにその事業内容などについて会見を行なった。

NTTモビリティの社長に就任した山下航太氏は、交通の担い手不足が進む中で、移動の自由が失われつつある現状に強い危機感を示した。こうした課題の解決策として、自動運転技術を活用し、地域の生活に寄り添った形で自動運転サービスを提供していく方針を説明した。
特に課題として、①様々な交通環境でも安心・安全な乗車体験の提供、②各地域のニーズに合わせた運行形態・支援体制、③長期運営を可能にする維持運営費の適正化、の3点を挙げ、これらを克服し社会実装を加速するために新会社を設立したと述べた。
NTTグループが各地で進めてきた自動運転の実証は直近2年間で35件に及び、その知見や技術を統合して専業会社として推進力を高める狙いがあるという。
NTTモビリティの事業は、自治体、交通事業者、民間企業を対象に、自動運転の導入から運用までをワンストップサービスとして提供する。対象領域は定時/定路線バス・オンデマンドバス・ロボットタクシー。
提供価値は大きく3つ。①地域ニーズに合ったベース車両・自動運転システム調達、車両の保守・メンテナンス・故障時の駆け付け「車を用意する」、②ルート設計やデジタルマップ作成・走行調律、運用人員向けのトレーニングプログラムの提供など「車を走らせる」、③システムの構築・提供、車両内外の遠隔モニタリング、乗務員業務のAI化「運行を支援する」の3点を示した。
具体的な取り組みとしては、NTT武蔵野研究開発センタに”Co-Creation Hub”を設け、パートナーとの共創を通じて社会実装を推進する。

また、より高い安全性を備えながら、地域に寄り添った自動運転を実現すべく、NTTグループで取り組んでいる通信システムやAIを活用した路車協調技術・システムの活用を目指すという。

さらにNTT武蔵野研究開発センタ周辺で複数車両・複数ベンダの自動運転車の実証実験を計画している。運行車両を統合モニタリングシステムで管理しつつ、通信の安定化やAIによる効率化に取り組む方針だ。

今後は段階的に体制を整備し、まず路線バスの自動運転から取り組み、レベル2相当からレベル4へと引き上げたうえで、2028年度までに全国展開可能なサービス体制の確立を目指す。さらに2030年代には1000台以上の運行支援を行なうとしている。
