2024年ADAS/自動運転センサ市場,1兆6,051億円

矢野経済研究所は,ADAS(先進運転支援システム)/自動運転用キーデバイス・コンポーネントの世界市場の調査を実施し,2030年までの世界市場規模をセンサ種類別に予測し,公表した(ニュースリリース)。

それによると,2023年におけるADAS/自動運転用センサの世界市場規模は,メーカー出荷金額ベースで1兆5,485億円の見込み。日米欧でAEB(自動緊急ブレーキ)の標準搭載が進み,中国市場においても急速に搭載車種が増加している。

このため,車両の前方を検知するADAS用レーダやカメラの出荷数量が拡大しており,2023年におけるレーダ(77GHzミリ波レーダと24GHz準ミリ波レーダを含む)の世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで4,562億円,カメラ(センシングカメラやリア/サラウンドビューカメラを含む)は9,356億円の見込みだとする。

2024年以降も引き続きレーダ,カメラを中心にADAS用センサの需要が見込めることから,2024年のADAS / 自動運転用センサの世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで,前年比3.7%増の1兆6,051億円になると予測した。

ここでは,注目トピックとしてADAS用カメラを取り上げた。ADAS用カメラの高画素化が2025年以降に進展するという。現行量産車のADAS用カメラの画素数は1.7メガピクセル(MP)や5.4MPが中心だが,今後は8MPを採用したカメラが日米欧中で拡大するとした。

8MPを適用することでFOV(視野角)120度を実現することが可能になり,カメラのパーセプション(認識)向上によるADASの安全性能向上が期待できる。すでに欧州や中国,日本の自動車メーカーの一部車種で採用が始まっており,新しいE/E(電気/電子)アーキテクチャの車両から8MPカメラの適用が本格的に始まるとみる。

​また,レベル2アーバン(L2一般道)や高機能メモリ駐車支援システム(L2バレーパーキングアシスト)を実現するため,フロントだけでなくサイド,リアにADAS用カメラを搭載するBEV(電気自動車)の投入が中国市場において活発化しているという。2024~2026年にかけて高級車種BEVを中心に市場(世界市場)は形成される見込みであり,ADAS用カメラの市場規模(出荷数量)を押し上げるとする。

※新しいE/E(電気/電子)アーキテクチャは,クルマの制御分野別にドメインECUを搭載して,センサーやアクチュエータと繋がれている個別ECUを集中制御する

将来的に,2030年のADAS(先進運転支援システム) / 自動運転用センサの世界市場規模は,メーカー出荷金額ベースで3兆6,929億円に成長すると予測する。2030年までに日米欧でADASの搭載率は100%近くに達し,中国でも80%を超え,ASEANやインド向け需要が2028年以降に本格的に立ち上がるため,ADAS用レーダ,カメラの出荷数量は堅調に推移する見通しだとする。

​また,NCAP(新車アセスメントプログラム)に対応するためにレーダの搭載数が増える傾向にある。すでにEuro NCAPで導入されている交差点AEB(自動緊急ブレーキ)の評価試験について,2024年からJ-NCAPやC-NCAPでも実施する予定であり,対車両だけでなく歩行者や自転車なども対象となる。

このため,交差点右左折時や出会い頭におけるAEBを強化するために,フロント/リアコーナーレーダの装着率は上昇し,2030年のADAS用レーダの市場規模は1兆940億円に達すると予測する。

さらに,2026年以降から新しいE/Eアーキテクチャの採用が高級車種モデルを中心に活発化し,2030年に向けて中級車種モデルまで適用が進むと予想する。従来の分散型からドメインECUにすることで,各種センサを集中制御することが可能になり,ADAS/自動運転システムの多機能・高性能化,車両一台あたりのセンサ搭載個数増加につながる。

このため,ADAS/自動運転用センサ(レーダ,カメラ,LiDAR),駐車支援系センサ(サラウンドビューカメラ,超音波センサ)の需要は引き続き堅調に推移するとしている。

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