【ノーベル化学賞】光学分野でも応用が進むMOF(多孔性金属錯体)

著者: sugi
ノーベル化学賞が贈られる北川進氏(左), リチャード・ロブソン氏(中央),オマール・M・ヤギ氏(右)
出典:ノーベル財団

スウェーデン王立アカデミーは,2025年のノーベル化学賞を京都大学の北川進 理事・副学長,高等研究院特別教授ら3人に授与すると発表した。

今回受賞の対象となった多孔性金属錯体(MOF:Metal Organic Frameworks)は多孔性材料の一種。金属と有機リガンドが相互作用することで,活性炭やゼオライトをはるかに超える高表面積を持つ多孔質の配位ネットワーク構造を持つ。

MOF材料1gの結晶は,サッカーグラウンドの面積に相当する表面積があり,北川氏の研究グループは,そこに大量の気体の取り込みが可能なことを世界で初めて立証した。現在では水素の貯蔵や二酸化炭素の吸収する新しい材料として,環境・医療などさまざまな分野において産業利用が期待されている。

MOFは光学分野でも広く応用が進められており,ここではOPTRONICS ONLINEで取り上げた最近の研究成果について紹介する。

公大ら,変色でアルコール濃度を測るセンサー開発(2025年3月掲載)

東大ら,光捕集能で電子スピンを効果的に超偏極(2025年1月掲載)

東北大ら,見えない毒性ガスの発光検出材料を開発(2024年12月掲載)

東大ら,X線回折法に適した結晶スポンジを開発(2024年11月掲載)

公大,MOF結晶の配向による高品質な薄膜を作製(2024年7月掲載)

神大ら,五重項の室温量子コヒーレンスの観測に成功(2024年1月掲載)

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