東京科学大ら,蛍光タンパク質でリンパ管構造可視化

東京科学⼤学,ミシガン⼤学,岩⼿医科⼤学は,⻭髓内にリンパ管が存在し,炎症刺激などに応じてその構造が動的に変化することを明らかにした(ニュースリリース)。

⻭の中には,神経や⾎管が通る「⻭髄」と呼ばれる柔らかい組織がある。しかし,エナメル質や象⽛質といった硬い組織に囲まれているため,⻭髄内の圧⼒調整,すなわち組織液の排出が困難となっている。

通常,⾝体の他の組織では,余分な組織液や⽼廃物はリンパ管を通じて排出される。しかし,従来の観察技術では⻭髄にリンパ管が存在するという確かな証拠を得ることができず,その有無については⻑年にわたって議論されてきた。

研究グループは,透明化技術と遺伝⼦改変マウス(Prox1-eGFP マウス)を組み合わせることにより,⻭の中のリンパ管を⽴体的に観察することに,世界で初めて成功した。その結果,⻭の発⽣初期には⻭髄内に豊富なリンパ管ネットワークが存在する⼀⽅で,発育に伴いその数は徐々に減少し,成熟した⻭では断⽚的な構造のみが残ることが明らかとなった。

⼀⽅,炎症を模した軽度の刺激を加えると,リンパ管が⼀時的に再活性化され,その構造も明瞭になることが確認された。さらに,墨汁を⽤いた実験からは,⻭髄内の組織液がリンパ管および細胞間隙(細胞と細胞のすき間)という2つの経路を通じて⻭の外へ排出されることが明らかになった。

これらの成果は,⻭の中のリンパ管が,必要なときに再活性化される動的な存在である可能性を⽰しており,⻭髄の恒常性維持や再⽣において重要な役割を担っていることを強く⽰唆している。

研究グループは,今回の成果は,再⽣⻭髓におけるリンパ管機能の評価や,⻭の炎症時にリンパ管を介して移動する抗原提⽰細胞の動態解析など,今後の基礎研究の発展に貢献することが期待されるとしている。

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