島津製作所は,小型検体を用いた創薬研究をサポートする卓上型蛍光イメージングシステム「LuminousQuester NX」を国内で発売する(ニュースリリース)。価格は990万円(税込)。
研究機関や大学病院,製薬業界での蛍光色素を用いた創薬研究では,「体内での薬物の分布とその経時的変化の検証」などの用途で,近赤外光イメージング技術が必要とされている。蛍光試薬をマウスなどの検体に投与し特殊な光を照射すると,蛍光試薬が反応を起こす。その蛍光反応を画像化して検体内での薬の分布状態などを観察する。
この目的のために,同社は近赤外光イメージングシステム「LuminousQuester NI」を創薬研究者に販売してきたが,より小型で実験室での取り扱いが容易なシステムが求められていた。今回発売する製品は,「LuminousQuester NI」の特長である,室内照明下での自由度の高いイメージングを維持しつつ,実験室の卓上で使用することを可能にしたシステムだという。
今回発売された新製品には大きく3つの特長がある。
まず,小型化を実現したことで,卓上で小型サイズの動物を処置しながら撮影・計測することが可能。独自の光学フィルタを採用することで,室内照明下で撮影・計測することができる。
また,検体に合わせてカメラ位置や向きを調整して使用することが可能。視野サイズも被写体の全体から局部,組織まで,様々な視野サイズに対応した撮影・計測ができる。
さらに,外部光源と接続して使用するこのシステムは,外部光源との連携オプションを使用することでより幅広い研究ができる。観察光の短時間照射により薬剤の集積を静止画で観察したり,治療光の連続照射により薬剤の反応を動画で観察するなど,光照射と同期した撮影・計測が可能だとしている。
同社では,2026年度末までに国内で20台を販売目標としている。