ispace EUROPE,月面レーザー反射鏡の輸送契約締結

宇宙スタートアップ企業ispaceの欧州法人であるispace EUROPE S.A.と,イタリア政府宇宙機関Italian Space Agency(ASI)は,月面で正確な位置測定を可能とするレーザー反射鏡(LaRA2)の輸送に関するペイロードサービス契約を締結したことを発表した(ニュースリリース)。

このレーザー反射鏡は,電源が無くても月の過酷な環境下で長期間にわたり機能的に設計された,小型で頑丈,さらに軽量な反射鏡機器。入射角に関係なくレーザービームが直接光源に反射するように設計されており,コーナーキューブプリズムを正確に配列している。同様の反射鏡は,現在火星探査を行なっているNASAのパーサヴィアランスローバー(火星探査車)にも搭載されているという。

この技術は,ispaceの米国法人であるispace technologies U.S.(ispace-U.S.)が2026年に予定しているミッション3の一環として月の南極付近に位置するSchrödinger Basin(シュレーディンガー盆地)に着陸するAPEX 1.0ランダー(月着陸船)に搭載される予定。月面着陸後,ASIは月周回衛星を使ってレーザー反射鏡のレーザー測距観測を長期的に実施するとしている。

ASIの科学者たちは,このレーザー反射鏡の測定値をアポロ計画で以前月面に配置された,他の反射鏡の示す測定値と組み合わせることで,月のマッピングや月面の位置特定のためのナビゲーション改善に役立つ,貴重なデータ収集に期待しているという。

キーワード:

関連記事

  • 日本電気硝子、宇宙用超薄板カバーガラスのブランド「Starveil」を立ち上げ

    日本電気硝子(NEG)は、宇宙用超薄板カバーガラスの製品ブランド「Starveil(スターベイル)」を立ち上げたと発表した(ニュースリリース)。 Starveilは、人工衛星の太陽電池をはじめ、宇宙空間で使用される各種機…

    2026.05.25
  • 京都大学 特別教授 野田進教授

    フォトニック結晶レーザーが拓く「高輝度半導体レーザー」の次章

    半導体レーザーは小型、高効率という強みを持つ一方で、高出力化するとビームが乱れ「輝度」が伸びないという壁があった。フォトニック結晶レーザーはその常識を塗り替えつつある。その研究の先駆者である京都大学高等研究院・特別教授の…

    2026.04.02
  • 【主張】政策と技術を結ぶ日本の可能性

    世界最大の光学展示会 3月15日から米国ロサンゼルスでOFC(Optical Fiber Communication Conference and Exhibition)が開幕する。通信バブル崩壊後、存在感を失っていた同…

    2026.03.25
  • Orbital Lasers、30.2億円の資金を調達 宇宙用レーザーの送受光技術を開発へ 

    Orbital Lasersは、シリーズAラウンドとして第三者割当増資及びJ-KISS型新株予約権の発行により30.2億円の資金調達を実施した(ニュースリリース)。これにより、シードラウンドからの累計エクイティ調達額は3…

    2026.03.23
  • 岡山大など、シリコンフォトニクスを用いた人工衛星用静電気センサを開発

    岡山大学、大阪公立大学、九州工業大学、産業技術総合研究所、春日電機は、シリコンフォトニクスを用いた人工衛星用の静電気センサを開発した(ニュースリリース)。 近年、人工衛星を活用した宇宙ビジネスが拡大している。小型衛星ネッ…

    2026.03.03

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア