東大ら,フルカラースキンディスプレーを開発

東京大学と大日本印刷(DNP),独自の伸縮性ハイブリッド電子実装技術を進化させ,薄型で伸縮自在なフルカラーのスキンディスプレーと駆動・通信回路及び電源を一体化した表示デバイスの製造に成功した(ニュースリリース)。

フィルム状のフレキシブルな基板は繰り返しの「伸び縮み変形」はできない。伸縮変形に追従する先行の電極配線は,伸長時における電気抵抗の上昇や,繰り返しの伸縮時に断線しやすいという課題があった。また,伸縮性の高い基材上に剛直な部品を置くと,接合部が伸縮時に蓄積する応力によって破壊されやすいという課題もあった。

研究グループの伸縮性ハイブリッド電子実装技術は,柔軟な基材を曲げ伸ばししても抵抗値が変わらない電極配線を可能とするもの。さらに,剛直な部品を実装しても伸縮時に断線しにくい工夫を盛り込んだ。信頼性を向上させた結果,比較的大きな部品を使っても壊れにくい回路が作れるようになった。

この実装技術の有効性の実証を兼ねて開発したスキンディスプレーは,12×12個(画素数:144)の1.5mm角サイズのフルカラーLEDが薄いゴムシートに2.5mmの等間隔で埋め込んだ。全体の厚みは約2mmで,130%までの伸縮を繰り返しても電気的・機械的特性が損なわれない。薄型・軽量で伸縮自在なため,皮膚や曲面を含む色々なものに張り付けることができる。

表示部の駆動電圧は3.7Vで,表示スピードは60Hz,最大消費電力は平均100mW。以前発表したスキンディスプレーは単色表示だったが,フルカラーLEDによって9,000色以上の色表現が可能となった。また,表示エリアの外周近傍に制御回路とバッテリーも実装して配線ケーブルを不要とし,貼り付けたスキンディスプレーに外部からBLE(Bluetooth Low Energy)通信で表示内容を制御できる。

研究では,発光素子として無機半導体を発光材料としたLEDと独自の伸縮性ハイブリット電子実装技術を駆使することで,従来の伸縮性ディスプレーよりも圧倒的な大気安定性と機械的耐久性を同時に達成した。伸縮自在なディスプレーを皮膚にフィットさせ,かつ人の動きに追従させた状態で,数百個のLEDが1画素の故障もなくフルカラー動画を表示できたのは,世界初だという。

また,伸縮性のある配線材料として銅を採用しており,一般的な電子部品製造プロセスを用いて製造できるという。そのため,早期の実用化と将来の低コスト化が期待できるとしている。

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