マクセル,高精細OLEDパネル用マスクを量産

マクセルは,精密電鋳加工技術(Electro Fine Forming:EF2)による有機ELディスプレー(OLED)パネル蒸着用高精細ハイブリッドマスクの量産を開始した(ニュースリリース)。

現在の有機ELディスプレーパネルは,発光セルを間引いて画素が形成された,リアルRGB(Red,Green,Blueのセルで忠実に画素表示を行なう方式)換算で350ppi~380ppiレベルのものが多く,リアルRGB400ppi以上を実現するために,さらなる高精細の蒸着マスクのニーズがあった。

このマスクは,開口部の高精度化が可能で,有機ELディスプレーパネルの高精細化(リアルRGB400ppi以上)を実現することができる。熱膨張特性に優れるインバー材フレームに,EF2で形成した高精細マスク部を一体化させた有機ELパネル用ハイブリッドマスクを開発することで,熱膨張による変形を抑え,蒸着装置への容易な装着を可能にした。

現在主流のエッチング加工によるマスクは,複数枚をミクロン単位の位置精度で貼り合わせて蒸着装置にセッティングすることが必要で,この工程に対応するパネルメーカーは,高度な貼り合わせ技術が求められる。一方,同社のマスクはフレーム一体型のマスクを供給することで,パネルメーカー側の工数を削減することができるという。

同社は,2017年からジャパンディスプレイ(JDI)と有機ELパネル用ハイブリッドマスクを共同開発してきた。今回量産技術を確立し,JDIへの供給を開始するとしている。

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