徳島大ら,紫外LEDがインフルエンザ不活化に有効と証明

徳島大学,京都府立医科大学,日本フネンは共同で,紫外線発光ダイオード(UV-LED)照射が高病原性鳥インフルエンザを含めたA型インフルエンザウイルスの不活化に効果的であることを発見した(ニュースリリース)。

また,UV-LED照射は感染細胞内でのウイルスRNAの転写と複製を抑制することで,インフルエンザウイルスの増幅を抑えていることを証明した。

近年,世界的に深紫外線LEDの開発も進められており,様々な病原性微生物への効果が報告されている。しかし,インフルエンザウイルスへの効果はほとんど報告がなかった。これまで研究グループは近紫外線(UVA)LED照射による病原性細菌への殺菌効果と機構を明らかにしてきたが,A型インフルエンザウイルスに対する効果は不明だった。

今回研究グループは,H1N1亜型に種々のピーク波長のUV-LEDを照射し,不活化効果の評価とその機構を明らかにすることを目的とした。さらに高病原性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)への不活化効果を評価した。

具体的には,ピーク波長がそれぞれ365nm(UVA),310nm(UVB)及び280nm(UVC)のLEDを使用し,許容最大の順電流で照射を行なった。まず,ウイルス溶液にUV-LEDを照射しMDCK細胞に感染したあと,プラーク法により不活化効果の評価を行なうと,UVC,UVB,UVAの順に不活化効果が高かったが,すべてのUV-LEDでH1N1亜型の感染力を1/100~1/1000以上まで不活化することができた。

次に,UV-LED照射による不活化機構を調べるために力価測定によりウイルスの細胞接着能を評価した。すると,研究用細胞への感染力を十分に減らす照射量(照射エネルギー)であっても力価は変化しなかったことから,UV照射による不活化効果は宿主細胞への接着能力の変化によるものではないと考えられた。

さらに,UV-LED照射後の宿主細胞内の3種のウイルスRNA(vRNA,cRNA,mRNA)の動態を定量的RT-PCR解析によって調べると,いずれの波長のUV-LED照射でも宿主細胞内のvRNA,cRNA,mRNAの増殖を抑制したことから,UV-LED照射は宿主細胞内でのウイルスRNAの複製と転写の両方を抑制したと考えられたという。

研究グループは,今後はインフルエンザウイルス感染予防の実用化に向けて,研究のスケールアップや用途に応じた改良を進めていきたい考えとしている。

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