東大,ビタミンCを検出する蛍光プローブを開発

東京大学の研究グループは,生体内で長時間活性を維持し,高感度かつ高い選択性でビタミンCを検出する蛍光プローブを新たに開発した(ニュースリリース)。それにより,静脈から投与されたビタミンCを,マウスを解剖することなく可視化することに初めて成功した。

近年,必須栄養素であるビタミンC(アスコルビン酸)を高濃度で投与すると,がん治療などに効果的であることが報告され,注目されている。しかし,これまでにビタミンCを検出する効果的な蛍光プローブは開発されておらず,生体内のビタミンCの挙動は解明されていなかった。

今回研究グループは,蛍光プローブとして,赤色蛍光色素分子フタロシアニンと安定有機ラジカル分子を結合させた分子システムを開発した。ラジカル分子がビタミンCと反応後,フタロシアニンが赤色蛍光を示すことで,ビタミンCを検出できる。

さらに,血清アルブミンという血液中で最も豊富なタンパク質の二量体で包むことにより,生体内におけるビタミンCとの反応がさらに効率化し,選択性も向上した。

この研究成果により,投与されたビタミンCが,活性を持った状態でどの臓器に輸送されるかを知ることができ,高濃度ビタミンC療法への有用な知見が得られると期待する。さらに,今回開発したアルブミン二量体との複合化法は,生体内で失われやすい蛍光プローブの活性を維持する,新たな分子設計指針となり得るとしている。

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