ADASから自動運転へ:
ADAS用光学センサー市場2020年に100億ドルに

12. 標準化問題

標準化の欠如もまた普及を妨げる原因のひとつである。数年前にLEDに見られたのはまさにこの問題であった。LEDの採用初期には仕様書の書式も固まっておらず,内容も様々であった。また,SSL(次世代半導体照明)メーカーが,完成品メーカー数社からの過剰な要求に応えるべく,厳密な検査過程を設けた結果,製造コストが跳ね上がった例もあった。

LIDAR技術の発展が非常に速いことも標準化が遅れる原因となっている。自動車メーカーは,既存技術を運用しつつ,同時に新しい技術を開発しなければならない。しかも,そのライフサイクルはごく短いため,負担は増えるばかりである。

13. 経済的背景

東南アジア諸国では一人当たりGDPの伸びが少なくなり,いわゆるS字カーブの均衡状態に近づこうとしている。一般に,一人当たりGDPが1万ドルから1万2000ドルを超えると,クルマのような耐久消費財の普及が急激に進むとされている。東南アジア諸国の数値はこのラインに達しつつあり,クルマの販売台数が今後大幅に増加すると期待されている。

結果としてこうした諸国で未成熟なドライバーが大量に生まれることになる。彼らの運転するクルマと,自動運転車との折り合いをどうつけるかが,議論の的となっている。例えば,自動運転車と人間が運転する車が事故を起こした場合,責任の所在をどのように決するか,自動車メーカーにとっては頭の痛い問題である。人間の運転する車と自動運転車であれば,後者に責任があると見られがちである。しかし,ある検証データによると,自動運転車のセンサーやソフトウェアの不具合というより,人間の運転する車側に問題があることも多いという。今後,自動運転車の増加に伴い,慎重な判断が必要とされる局面がますます増えることだろう。

東南アジアでのインフラが整備中であることも大きな意味を持っている。先進国では自動運転に必要とされるセンサーを,既存道路に設置し直さなければならないため,コストが高くなりがちである。一方で,東南アジアでは,新設される道路に初めからセンサーを完備すればよいので,設置コストを低く抑えることが可能となる。また,車載センサーと合わせてリアルタイムの情報が得られるため,システムの信頼性はぐっと高くなる。

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