ADASから自動運転へ:
ADAS用光学センサー市場2020年に100億ドルに

5. センサーのポートフォリオ

各種センサーがADASの検知・認識システムを支えている。検知・認識システムの役割は,道路上,及びその周辺の重要な物体を検知することにある。他の車,歩行者,ごみ,または,交通標識,車線区分線などがその対象となる。検知・認識システムは障害物を検知すると,その移動速度,移動方向を測定し,どういった問題を引き起こすか予測しようとする。

検知・認識システムの誤動作,不具合は以下の4つに区分される。

障害物を検知できない。

運転者が障害物との衝突を避けえない状況になるまで検知が遅れると重大な問題となりうる。

障害物の位置を誤る,あるいは存在しない障害物を検知する。
このエラーは,急ブレーキや車線逸脱の原因となる。乗客が不快になるだけでなく,シートベルトを着用していなければ,怪我の原因となることも考えられる。また,後続車との距離が近い,大きく車線から逸脱する,ブレーキが急過ぎるなどの場合には,事故を引き起こす可能性もある。

多くは大事には至らないだろうが,システム自体の有用性が問題視されることは確実である。

障害物の区分を誤る。

自転車を歩行者と誤る,またはバイク2台を1台のクルマと誤認するといった例を指す。障害物を避けること自体は可能かもしれないが,移動方向や速度の認識のずれから,最適な対応ができない事態が想定される。

システムの機能停止。

センサー,またはその制御ソフトがユーザーにも明らかな形でシャットダウンされる,あるいは正常に機能しないエラー。驚くべきことに,このエラーは障害物検知の失敗よりは許容されやすい。少なくとも,センサーが動作していないこと,あるいはデータを受け取っていないことをシステムが認識しているからである。この場合,予備センサーに切り替えるか,別のセンサーを使って速やかに路肩に緊急停止することになる。こうしたエラーが頻繁に起きると,システム自体を利用しないドライバーも多くなるだろう。

表1 光学機器サプライヤー一覧
表1 光学機器サプライヤー一覧

各種センサーを利用すれば,車両周辺の状況をリアルタイムでマッピングし,直感的にわかりやすい形でドライバーに伝えることができる。時には検知の失敗や,対象物の誤認といったマイナス面もあるが,それを補って余りある利点がある。特にCMOSカメラ,レーザースキャナー,赤外線カメラなど,光学ベース技術の融合は様々な可能性を持っており,この分野で多くのスタートアップ企業が生まれている。詳しくは,表1の光学機器サプライヤーの欄をご覧頂きたい。

超音波,レーダーなどの既存技術がADASシステムに占める割合は現時点ではまだまだ高い。しかし,今後,光学系技術のシェアが大幅に伸び,2025年までにADAS市場の44%に達すると予測されている。クルマ1台に搭載されるカメラ数が12以上に増加すること,LIDARの導入が進むことがこの躍進の原動力となる。

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