世界のレーザー市場規模は2016年に160億米ドルに

③ファイバーレーザー
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ファイバーレーザーは,レーザーの中では比較的新興の技術で,ここ近年の注目度が高い重要なセグメントである。エネルギー変換効率,信頼性,小型軽量性,優れた集光性といった特徴から利用が進んでいる。ファイバーレーザーは,その名が示す通り,希土類添加光ファイバーを媒質に用いている。ファイバーレーザーは,従来のレーザーと比較して,非常に多様なアプリケーションを持っている。

ファイバーレーザーは,媒質の特性からパワー損失が少ない,増幅効率が良い,といった優位性を持っている。こうした特徴からファイバーレーザーのアプリケーションは他のレーザーと大きく異なっている。

光ファイバーは連続発振レーザーの媒質として理想的である。連続発振レーザーが普及しない原因の一つに媒質の冷却の問題があるが,光ファイバーは体積に比較して表面積が大きく放熱性に優れており,冷却が容易である。また,細長いその形状から,より高出力の増幅が可能となり,かつ,巻くことができるため小型軽量性は失われない。

コア径の制約から高強度の励起光を導入するのは技術的にも材質的にも困難であったが,ダブルクラッドファイバーの出現により,一定の高出力化が可能となった。さらに新たな光源としてフォトニック結晶が実用化されると,高出力で,ビーム特性に優れたレーザーが様々なデバイス向けに開発されるようになった。フォトニック結晶レーザーは京都大学野田教授によって発明されたものである。

④ファイバーレーザーにおけるフォトニクス結晶ファイバー
フォトニクス結晶は様々な誘電体を周期的に配列したナノスケール構造に特徴づけられる。レーザー,あるいは光ファイバー応用の上で,フォトニクス結晶ファイバーの最大の利点は,従来の光ファイバーのフレームワークではそれぞれ専用のデバイスを必要とする機能を統合できる点にある。
・一定の周波数の光線の生成
・光線の周波数の変換
・光線密度の増幅
・光線の長距離伝送

・広帯域スループット実現のための多重化

こうした機能には専門的な取り扱いが必要とされたが,フォトニクス結晶ファイバーを利用すれはプロセスを単純化することができる。

フォトニクス結晶レーザーは,ダブルクラッドファイバーの性能向上に寄与している。従来のダブルクラッドファイバーの第二クラッドは,取扱が容易で,屈折率の低いポリマーでできている。

高熱に対する耐性が十分でないこと,第一クラッドのNAの制約条件になることなど,ポリマーには弱点も多い。

こうしたジレンマに対して,フォトニック結晶ファイバーは洗練されたソリューションとなりうる。このソリューションで,最も重要な部分は励起光のガイドとしてエアクラッド材料を利用することにある。コア部分と空孔部分の比屈折率差は大きく,大口径化,大モードエリアの光ファイバーが実現される。こうしたフォトニック結晶ファイバーはLMAファイバーとも呼ばれる。

フォトニック結晶ファイバーはポリマーの物性の制限からの解放を意味する。設計面ではシリカの熱耐性の高さが注目される。

フォトニック結晶ファイバーの利点の多くは,大口径コアに由来する。フォトニック結晶ファイバーは,非シリカ材料を全く使わず,シングルモードで大NAまでカバーする。フォトニクック結晶ファイバーレーザーの利点は下記の通りである。

空孔に対するコア口径の比率を上げ,不要な非線形効果を緩和する。非線形効果は光の強度が高い場合に生じる現象で,レーザー光の増幅に必要ではあるが,高出力のレーザーでは技術上の問題となる可能性がある。非線形効果は導体の長さに比例するため,フォトニック結晶ファイバーを用いて導体を短くすれば,この問題に対処することができる。

フォトニック結晶ファイバーそのものを厚くすることにより,ポリマークラッドが不要となり,許容曲げ半径がより小さいファイバーが実現する。一方で,曲げ損失なしにファイバーを折りたたむことは難しいことも事実である。これを防ぐためにロッド型のフォトニック結晶ファイバーが考案されている。

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