人間拡張工学がデザインする未来の世界 ─光学迷彩の先にあるもの

◆稲見 昌彦(イナミ マサヒコ)
東京大学先端科学技術研究センター教授。博士(工学)。

電気通信大学,慶應義塾大学等を経て現職。自在化技術,Augmented Human,エンタテインメント工学に興味を持つ。米TIME誌Coolest Invention of the Year,文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞。超人スポーツ協会発起人・共同代表。著書に『超人スポーツ誕生』(NHK出版新書)がある。

「光学迷彩」という言葉を聞いて思わずニヤリとしてしまう人はSFファンに限らず,今回お話を聞かせて頂いた稲見氏の同世代には少なくないだろう。かくいう記者もその一人である。

漫画「攻殻機動隊」や映画「プレデター」に登場する周囲の風景を纏うことで姿を隠す光学迷彩は,メタマテリアルによって実現可能と言われている。しかし稲見氏は,再帰性反射材とプロジェクターという身近な材料でこの技術を再現し世間を驚かせた。

今回のインタビューの中で稲見氏は,私たちがどこにでも同時に存在しうる近未来の可能性を示すとともに,その端緒はすでに開きつつあり,光学迷彩のように既存の技術がそこへと導いてくれていることを語ってくれた。

その世界では高速なインターネット回線や高精細ディスプレーといった光学技術が重要な役割を果たす。私たちを待ち受けるかもしれない近未来社会とはどんな世界か。その一端を垣間見て頂きたい。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    同じカテゴリの連載記事

    • レーザーを使いこなし,品質保証に繋げる加工プロセス開発が重要 ㈱デンソー 白井秀彰 氏 2024年08月12日
    • 人を大切にし,働きやすい会社を目指して ㈱日本レーザー 代表取締役社長 宇塚達也 氏 2024年07月10日
    • 光プラスαの技術で水中ビジネスを加速させる! ㈱トリマティス 代表取締役 島田雄史 氏 2024年03月12日
    • 学術と産業の架け橋となり,更なるイノベーション創出を (一社)レーザー学会 会長 久間和生 氏 2024年01月15日
    • 芽から幹への成長が期待される面発光レーザーの産業化 東京工業大学 栄誉教授/元学長 伊賀 健一 氏 2023年12月07日
    • 日本が実用化の先導役となるか!?注目のペロブスカイト太陽電池開発動向 桐蔭横浜大学 宮坂 力 氏 2023年10月06日
    • パワー半導体とイメージンセンサーの両輪で挑んだ日本市場の一年とは オンセミ 日本法人代表取締役 林 孝浩 氏 2023年09月29日
    • 眼に装着する究極のディスプレー─ホログラムが可能にする未来とは 東京農工大学 高木 康博 氏 2023年09月27日