注力するファイバーレーザー

─今年のLaser World of Photonics(会期:2025年6月24日~27日)では,どういった新製品が出展されたのでしょうか
今回の展示の柱は,ファイバーレーザーの新しい3モデルです。従来のディスクレーザーと比較して,ファイバーレーザーはより高出力・高効率・小型化が可能であるため,今後の主力技術と位置づけています。
まず,価格重視のエントリーモデル「Gタイプ」。これはとにかく安くてシンプルな発振器が欲しいというニーズに応えるものです。次に,トルンプの高度な制御システム「TruControl」を搭載した「Pタイプ」。このモデルはコストパフォーマンスに優れ,現在すでに多くのユーザーに選ばれています。そして最上位の「Sタイプ」では,一本のビームを二つの出力に分割できる「パワーシェア」機能を搭載。さらには独自のビームシェイピング技術「ブライトラインモード(BLM)」により,溶接や切断の品質向上が可能になります。
─さらにハイパワー化も進んでいるようですね。
その通りです。従来のディスクレーザーでは出力24kWが最大でしたが,新たに50kWまで対応可能なモデルを開発中です。これは,ブレーキディスクの高速コーティングなど,高強度・高出力を要する新しいアプリケーションに対応するためです。また,ピコ秒レーザーの分野では,「TruMicro 9000」シリーズが1kW・10mJ・100kHzという極めて高い出力を実現しています。2007年の初期モデルでは最大出力50W程度だったことを思えば,技術の進化は目覚ましいものがあります。
─トルンプといえば,世界規模のサービスネットワークも大きな強みですよね
はい。私たちは現在,世界約40ヵ国に70以上の販売・サービス拠点を持っています。一部の国には複数の販売・サービス拠点があり,他の国は近隣諸国の販売・サービス拠点によってカバーされています。例えば,東ヨーロッパでは,クロアチアはハンガリーにあるより大きな販売・サービス拠点によってカバーされています。他のメーカーでは本社から人を派遣しないと対応できないケースが多いのですが,我々は現場で即座に対応可能です。これは大規模なグローバルプロジェクト,特に自動車やバッテリー分野において非常に重要です。
─日本市場における現在の状況はいかがでしょうか
トルンプは日本法人を設立して45年,レーザー事業部を設置してからは約25年の歴史があり,これまでに日本国内で約3,000台のレーザー装置を販売してきました。日本の特徴は,多くの業種・企業が分散して存在している点です。韓国のように大企業が市場を占めるのとは異なり,多種多様な企業がレーザーを使っています。
ただし,近年はEV化の遅れやディスプレイ事業の縮小,経済の停滞などで受注は減少傾向にあります。他のレーザーメーカーさんも同様に苦戦していると聞いています。



