ミニインタビュー

林先生に聞く
光ファイバー×生成AIで“地球の声”を可視化
─研究を始めたきっかけから
(林)大学院時代から光ファイバーセンサーの研究に携わってきましたが,その中で「この技術を,もっと多くの人に身近に感じてもらえないだろうか」と考えるようになったことが出発点です。現在,取り組んでいるのは,光ファイバーから得られるデータをもとに,生成AIを使って画像として表現する試みです。誰もが無意識に感じている身近な物理量を可視化することで,地球が発している情報を直感的に理解してもらえるのではないかと考えています。
─研究の面白さを教えてください
(林)光ファイバーセンサーを,従来のインフラを支える裏方的な技術としてではなく,これまでにない視点から捉え直している点が特長です。異なる角度から見つめることで,新たな発見や価値が生まれるところに,この研究の面白さがあります。
─研究している中で苦労をしていることは
(林)光ファイバーセンサーから得られる情報を,どう提示すれば一般の人に受け入れてもらえるかを考えるところです。研究者の視点のままでは見えない部分がどうしてもあり,意識的に一般の人が面白いと感じる視点へ切り替える必要があり,難しさを感じています。
─この研究がどのように応用されることを期待していますか
(林)人は判断の多くを人間関係や仕事,家庭といった限られた枠の中で行なってしまいがちです。その結果,視野が狭くなり,ニュースやメディアの言葉だけを判断材料にしてしまうことも少なくありません。そこで,自然の現象を映像として可視化することで,もう一度,自然の視点から物事を考えるきっかけを提供したいと考えています。
─若手研究者が置かれている状況について
(林)多くの研究者が任期付き雇用のもとで,どうしても短期的な成果を求めざるを得ないのが現状だと感じています。基礎研究や新しい発想に基づく研究には,本来,長期的な視点が欠かせません。そのためには,安定した雇用環境が望ましいと考えています。
─若手や学生に向けてメッセージをお願いします
(林)近年,世界は大きく変化していますが,そうした中でも,自分が目指すことや夢を簡単に諦めず,挑戦し続けてほしいと考えています。
(聞き手:梅村舞香/林諭子)
はやし ねいせい
所属:光産業創成大学院大学 光情報システム専攻 助教
略歴:2022年4月−現在:光産業創成大学院大学,光情報システム,助教
2020年4月−2021年3月:光産業創成大学院大学,光情報システム専攻,特任助教
2019年4月−2020年3月:東京工業大学,未来産業技術創造研究所,研究員(研究員)
2016年4月−2019年3月:東京大学,先端科学技術研究センター 情報分野,学術振興会特別研究員(PD)(特別研究員)
2015年4月−2016年3月:東京工業大学,未来産業技術創造研究所,学術振興会特別研究員(PD)(特別研究員)
2015年3月:東京工業大学,工学博士取得
2013年4月−2015年3月:東京工業大学,精密工学研究所,学術振興会特別研究員(DC1)(特別研究員)
趣味:フュ―ジョン系の音楽をパソコンで作ること
(月刊OPTRONICS 2026年3月号)



