上智大ら,発熱性毒素の蛍光検出に成功

著者: 梅村 舞香

上智大学,野村マイクロ・サイエンス,埼玉大学は,発熱作用をもたらす細菌由来の毒素エンドトキシンを認識する蛍光性分子をデザインして,迅速かつ簡便なエンドトキシン測定法を確立することに成功した(ニュースリリース)。

エンドトキシンは人の血液中に混入すると発熱や免疫の過剰反応をもたらすことから,注射用水や非経口薬に対して厳しい濃度管理基準が設けられている。

しかし,現在の測定法は分析にかかる時間が1時間程度と長いことから,注射用水製造現場などでのリアルタイムモニタリングに適していないことが問題だった。

研究グループは,エンドトキシンと反応する蛍光性分子を用いることで,サンプルと混合後1秒以内に発せられる蛍光シグナルを検出し,ごく微量のエンドトキシンを検出することに成功した。

さらにこのとき二波長の蛍光強度の比が変化することを利用し,独自に開発した二波長検出型の連続流れ分析装置を用いることで,1時間36サンプルの高速測定が可能となった。

研究グループは,今後,この技術を応用し,医薬品製造現場でのエンドトキシン濃度の連続監視装置として社会実装されることが期待されるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 東大など、世界初の光学マイクロニードルデバイスを開発

    東京大学、東京科学大学、英Bath大学、ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)は、従来の酵素測定法の欠点を解決する光学マイクロニードルデバイスを世界ではじめて開発した(ニュースリリース)。 採血不要の臨床検査を可能…

    2026.01.14
  • 公大と兵県大、有機ホウ素錯体の蛍光色変化を超高圧下で観測

    大阪公立大学と兵庫県立大学は、分子内π-π相互作用が、圧力に対する蛍光色の可逆的変化(PFC)に与える影響を調べるため、シクロファン部位をもつ有機ホウ素錯体pCPHとpCP-iPrの単結晶をダイヤモンドアンビルセル(DA…

    2025.12.26
  • 理研、光でがんを選択的かつリアルタイムに可視化

    理化学研究所は、がん細胞で過剰に産生される代謝物アクロレインを利用し、がん細胞内でのみポリマーを自発的に合成できる革新的なポリマー化技術の開発に成功した(ニュースリリース)。 生体関連化学分野において、高分子材料は薬物送…

    2025.12.23
  • 新潟大,蛍光分光法で無花粉スギの簡易識別法を開発

    新潟大学の研究グループは,蛍光分光法を用いた無花粉スギの簡易識別技術を開発した(ニュースリリース)。 無花粉スギの花粉を飛ばさない性質は,雄性不稔遺伝子と呼ばれる1つの潜性遺伝子で決まる。そのため,両親から雄性不稔遺伝子…

    2025.10.01
  • 広島大ら,魚から発せられる光により鮮度を判定

    広島大学と宇和島プロジェクトは,生物が本来持っている蛍光(自家蛍光)を詳細に解析することにより,鮮魚の鮮度を非破壊的かつ定量的に評価できる可能性を調査し,少なくとも,トラウトサーモン,マダイ,ブリの3魚種に共通する蛍光成…

    2025.08.18
  • 科学大,粘度測定を実現する蛍光色素の設計指針確立

    東京科学大学の研究グループは,凝集誘起発光色素(AIE色素)の粘度応答性発光を実験と理論の両面から系統的に調査し,従来の分子ローターと呼ばれる蛍光粘度センサーよりも高感度な分子の設計指針を確立した(ニュースリリース)。 …

    2025.08.08
  • MKS,蛍光イメージング向けフィルターセットを発売

    米MKS Inc.は,蛍光イメージング向けに設計した「Newport ODiate 蛍光フィルターセット」を発表した(ニュースリリース)。 DAPI,TRITC,GFP,FITC,Texas Red,Cyanine (C…

    2025.06.26
  • 芝浦工大ら,可視から赤外域に切替わる蛍光色素開発

    芝浦工業大学,早稲田大学,物質・材料研究機構は,可逆的な酸化還元反応によって可視(VIS)から近赤外(NIR)・短波赤外(SWIR)領域へと蛍光をスイッチできる有機色素材料の開発に成功した(ニュースリリース)。 有機蛍光…

    2025.05.21

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア