明大ら,可食光学素子で見た目が変わるデザート開発

明治大学とフレンチレストラン「élan vital」(エランヴィタール)は,方向によって見え方が変わるデザートを開発した(ニュースリリース)。

これは,同大宮下研究室の吉本健義氏が開発した可食レンチキュラレンズで,レンチキュラレンズの光学的特性を可食材料で実現し,その可能性についての議論を学会発表していたもの。このレンズは食品用シリコンでレンチキュラレンズの型をとり,シリコン型に寒天を流し込むことで作製する。

「élan vital」は2016年にオープンした「5Dレストラン」であり,プロジェクションマッピングや分子ガストロノミーなどを用いて新しい食体験を追求している。今回試作したティラミスは,花に集まる蝶を表現した作品で,エディブルフラワーがのったムースとなっている。そして,それを囲む3匹の蝶が,共同研究によって作られたゼリーであり,見る方向によって色・模様が変わるものとなっている。

宮下研究室は今後,この技術の可能性を追求し,2023年には応用したメニューをélan vitalの店舗で提供したいと考えている。さらに,宮下研究室が開発した飲食物の味と見た目を変える装置「TTTV2」や,キリンホールディングスと共同研究している塩味を増強するスプーン「エレキソルト」との連携なども検討していくとしている。

その他関連ニュース

  • 筑波大,スパイス抽出液の特性を光で推定
    筑波大,スパイス抽出液の特性を光で推定 2023年12月15日
  • トムラ,光学選別技術で有毒な雑草を除去 2023年09月07日
  • 阪大,フード3Dプリンターで食品内部にコード埋込 2022年10月17日
  • 弘前大ら,レーザーでリンゴ内の健康成分を測定 2021年08月20日
  • 農研機構,青果物のおいしさを光で非破壊的に計測 2021年06月29日
  • 阪大,市販装置で高精度食品分光分析に成功 2020年08月03日
  • ニコンら,分光とAIによる食品異物検査装置を開発 2019年05月22日
  • 群馬大,飴で食べられる再帰性反射材を作製 2019年02月28日