ソフトウェア定義型 プラットフォームでLiDARは新たなステージへ

─自動車メーカーはソリッドステートLiDARを求めているのでは?

確かにLiDARには堅牢性が求められます。そういう意味ではフラッシュLiDARのようなソリッドステートLiDARも注目されていますが,レーザーの照射距離が短いという問題があります。我々のLiDARはMEMSミラーが小さいのでロバスト性が高く,ビームステアリングにも優れています。最近ではビーム走査方式として液晶を使った製品なども開発されていますが,我々は総合的に見てMEMSが最善の選択だと考えています。

─車側にもAIが搭載されるようになりますがその協調は?

車側にもAIが搭載されると協調が難しいように思えるかもしれませんが,車側の調整が取れた状態にしてやれば問題はありません。我々のOSは車に仕えるもので,車の言うことを聞くようになっています。車がLiDARに「これをやれ,あれをやれ」と指示を出し,それを実行させることができるのです。車側がそのような指令をだせるということは素晴らしい機能です。これまでのLiDARは,その機能をONにするかOFFにするかしかできませんでした。我々のLiDARの場合,機能をONにするまでは同じですが,その後は「どこを走るモードでオペレ ーションするのか」「どこを見るのか」を車側から指示することができます。つまりセンサーの適応性が非常に高いのです。AIはシステムにインテリジェンスを加え,適応性を生み出します。適応能力は防衛産業や宇宙航空産業にとって非常に重要な要素ですが,それは自動車産業でも同じです。

─日本の市場に期待することは何でしょうか?

トヨタ,日産といった世界的な自動車メーカーにはもちろん期待しているので,Continentalのようなアイシン精機やデンソーといったティア1を通して採用されることを目指していきます。もう一つ,スマートシティ関連は非常に市場として大きいし,急激に成長している期待の分野です。例えばこのLiDARを1つ設置するだけで,従来式センサーの20個分の仕事をしてくれるので,交差点に1台設置するだけでかなりの量の情報を得ることができるのです。

そしてもう一つ日本に期待するとすれば,イノベーションが素早く行なわれるということです。これまで日本はイノベーションによって世界のサプライチェーンの重要な一部を担ってきました。我々も日本の助けを借りてイノベーションをより早く実現させたいと考えています。

(月刊OPTRONICS 2023年03月号)

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