近畿大など、光触媒で過酸化水素をクリーン合成に成功 国際学術誌で注目論文に選出

近畿大学と東海国立大学機構(THERS)の研究グループは、光触媒を用いて太陽光・水・酸素からクリーンに過酸化水素を合成する研究成果が、英国王立化学会(Royal Society of Chemistry)が発行する国際学術誌「Chemical Science」において、光化学分野で最も注目を集めた論文として「Most popular articles 2025: photochemistry collection」に選出されたと発表した(ニュースリリース)。

同研究は2025年5月に発表されたもので、無機材料である酸化スズと酸化亜鉛を複合化したハイブリッド材料を光触媒として用いることで、従来課題とされていた過酸化水素の分解を抑制し、合成効率を大幅に向上させた。得られた過酸化水素の濃度は先行研究の3倍以上に達し、光利用効率も大きく改善された。

過酸化水素は、次世代燃料電池の燃料やクリーンな酸化剤として注目されているが、従来の製造法では水素ガスや大量の電力を必要とするなど課題があった。太陽光と水、酸素のみを用いた光触媒合成は、持続可能な製造法として期待されている(ニュースリリースはこちら)。

また研究グループは、本研究成果を中心に、光触媒による過酸化水素合成の最新動向をまとめた総説論文を、国際学術誌「Chemical Communications」および「Chemistry – A European Journal」に掲載した。これらの総説は、同分野の研究を体系的に整理し、今後の研究展開を示すものとなっている。

今回の選出は、光触媒を用いたクリーンエネルギー関連技術の進展を示す成果として、今後の応用展開にも期待が寄せられる。

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