岩崎電気,高輝度レーザー投光器など次世代照明公開

岩崎電気は2024年12月4日と5日の2日間,品川インターシティホールで技術展を開催した(ニュースリリース)。

同社が設定した『未来のアタラシイをつくる』の企業理念に即したかたちで,4つのテーマに分けて技術や開発品の数々を公開した。同社は1944年に岩崎電波工業として創業し,光源製造を手掛けてきた。2000 年代に入り,LEDを搭載した照明器具の生産を開始し,インフラ向け用途を中心にそのラインナップを拡充してきた。工業用や殺菌用のUV光源・システムの開発も行なっており,近年の水銀フリーにも対応している。

写真1 フルカラーレーザー投光器写
写真1 フルカラーレーザー投光器写

今回の技術展で注目したのは,次世代の照明機器だ。一つにはフルカラー高輝度レーザー投光器がある。LEDの投光器に比べて指向性の高い光を遠方に照射することができるため,景観演出や大規模施設でのスポット照明などに対応できる。軸光度は100万cdで,色域領域がLED比の125%というレーザーの高い特性が示されている(写真1)

もう一つは,液晶パネルを用いたフルカラー投光器だ。ジャパンディスプレイとの協業で開発を進めているもので,電圧を加えると液晶分子が変化するのを利用して配光をコントロールすることで様々な色と形状の発光を可能にする。そのため,多様な照明手法を1台で演出できるのが大きな特長となっている(写真2)

図¥写真2 液晶パネルを用いたフルカラー投光器
写真2 液晶パネルを用いたフルカラー投光器

3つ目は,マルチピクセルLED照明だ。約2万5,000個の微細なLEDを搭載したもので,それぞれを個別に点灯制御することで特定の場所だけに光を照射することができる。また,タッチディスプレイと組合わせるシステムとすることで,スクリーンなどに文字や様々な図形をリアルタイムで投影することもできる(写真3)。これらについては開発中とのことで,今後の製品化に注目したい。

写真3 マルチピクセルLED 照明
写真3 マルチピクセルLED 照明