2023年度光産業出荷額,12兆9,540億円に成長

著者: 梅村 舞香

光産業技術振興協会は,2023年度光産業全出荷額,国内生産額調査結果について調査結果をまとめた。この調査は同協会が1980年以来,毎年光産業の動向調査を実施しているもので,会員企業225社に対して調査票を発送して74社から回答を得たほか,各関連業界団体および調査会社の協力を得て作成した。

それによると,2022年度全出荷額(実績)は12兆7,739億円,成長率+6.9%,2022年度国内生産額(実績)は6兆664億円,成長率+2.0%となった。

入出力分野は,デジタルカメラ,カメラ付き携帯電話向けなどのイメージセンサの需要増加,性能向上によるミラーレス一眼デジタルカメラの需要増加,リモートからのオフィス回帰によるプリンタ・複合機の需要増加などにより,全出荷・国内生産ともに大幅増加となった。

レーザ・光加工分野は,半導体関連などを中心とした設備投資の増加に伴い,全出荷・国内生産ともに増加,太陽光発電分野は,エネルギー価格の高騰などにより需要が伸び,全出荷・国内生産ともにやや増加となった。情報記録分野は,ゲーム機向けの再生専用装置の需要増加により,全出荷・国内生産ともに増加となった。

情報通信分野は,5Gシステム及びCOVID-19によるライフスタイル変化に伴う通信トラフィック増加に対応する設備増強により,光伝送機器・装置は増加,光ファイバなどの部品類も好調で,全出荷・国内生産ともにやや増加となった。センシング・計測分野は,半導体,FA,自動車関連などの設備投資増により全出荷・国内生産ともにやや増加となった。

ディスプレー・固体照明分野は,プロジェクタ,LED照明器具などは好調であったが,液晶パネルなどの減少により,全体として全出荷・国内生産ともにやや減少となった。光産業全体として回復基調が継続し,全出荷は増加,国内生産はやや増加となった。

また,2023年度全出荷額(見込)は12兆9,540億円,成長率+1.4%,2023年度国内生産額(見込)は6兆896億円,成長率+0.4%となった。

入出力分野は,デジタルカメラ,カメラ付き携帯電話向けなどのイメージセンサの需要がさらに増加,安くなったことによりミラーレス一眼デジタルカメラの需要も継続,サテライトオフィス向けなどの需要が継続し,全出荷・国内生産ともに増加の見込み。ディスプレー・固体照明分野は,カーナビ,プロジェクタ,LED照明器具などは好調だが,液晶パネルなどが減少し,全体として全出荷・国内生産ともに横ばいの見込み。

センシング・計測分野は,センシング機器の堅調な伸びにより,全出荷・国内生産ともにやや増加となる見込み。情報記録分野は,ゲーム機向けの再生専用装置の需要が一段落し,全出荷・国内生産とも減少する見込み。

情報通信分野は,5Gシステムの設備増強が一段落し,光伝送機器・装置及び光伝送用部品は,全出荷・国内生産とも減少の見込みで6年連続増加にはならなかった。レーザ・光加工分野は,半導体関連などの設備投資の回復によるエキシマレーザの需要増加はあるものの,前年度まで大幅増加であったプリント基板の穴あけ需要が大幅減少するとともに,PCなどの出荷減少によりランプ・LD露光機が減少し,全出荷・国内生産ともにやや減少する見込み。

太陽光発電分野は,メガソーラーを中心とする発電事業用の需要が減少傾向にあり,全出荷・国内生産ともにやや減少の見込み。光産業全体として,全出荷・国内生産ともに横ばいとなる見込みだとする。

さらに,2024年度全出荷(予測)および2024年度国内生産(予測)は横ばいとした。

なお,2024年度光産業全出荷額,国内生産額調査結果についての調査結果について,情報記録分野は,入出力分野の一分野として吸収合併し発表する予定だとしている。

今回の調査結果の詳細は2024年4月24日からパシフィコ横浜で開催される光技術総合展示会OPIEに併設した「光技術動向・光産業動向セミナー」で語られる予定で,月刊オプトロニクス5月号にも掲載するので参照されたい。

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