オリンパス,結石治療用レーザーを発売

オリンパスは,尿路結石の効率的な破砕により手術時間の短縮に貢献し,患者の負担軽減につながるツリウムファイバーレーザー装置「SOLTIVE SuperPulsed Laser System(ソルティブ スーパーパルスド レーザーシステム)」を,今月より米国およびカナダ,欧州地域で発売する(ニュースリリース)。

この製品は,主に尿路(腎臓,尿管,膀胱,尿道)に発生した結石をレーザー装置によって細かく破砕して体外に排出するため用いられるもので,ツリウムファイバーレーザー技術を利用した製品。

尿路結石に対するレーザー治療は,尿管鏡や膀胱尿道鏡,硬性腎盂鏡の内視鏡画像観察下で,処置用チャンネルにレーザーファイバーを通して,尿路に生理食塩水を還流させながら行なわれる。

この治療には,結石をある程度の大きさまで破砕し取り除く方法と,細かく粉砕し塵状にする方法があり,どの方法で治療するかは結石の大きさや手術時間などを考慮して選択される。治療後に結石の破片が除去されずに尿路内に残っていると,再度結石が大きくなり,場合によっては緊急手術が必要となることもあるため,近年では細かく粉砕するニーズが高まっているという。

ツリウムファイバーレーザーの波長は水に吸収しやすい1940nmであり,結石中の水分に効率よくエネルギーを吸収させることができる。これにより,一般的に市場で使われている Ho:YAG レーザー(ホルミウムヤグレーザー)よりも速いスピードで結石の粉砕が可能となり,治療時間の短縮に貢献することが期待できる。

また,Ho:YAGレーザーより広範な設定範囲の提供が可能であり,低いパルスエネルギーと高い周波数設定により結石を細かく粉砕することで,スムーズな排出が期待できる。

また,ツリウムファイバーレーザー技術を用いることで,Ho:YAGレーザー装置に必要な巨大な水冷システムの搭載が不要。これにより,高い結石破砕性能を確保しながらもシステム全体の大幅な小型軽量化を実現した。また,システムが軽量のため,トロリーカートに搭載することで手術室間の移動を効率よく行なうことができる。さらに装置の清音化も実現し,術中の手術室環境の改善にも貢献するとしている。

キーワード:

関連記事

  • OKIと独Fraunhofer HHI、光集積型レーザー振動計の試作・動作確認に成功

    写真 登壇している加藤CTO OKIは、ドイツのFraunhofer Heinrich-Hertz-Institut(Fraunhofer HHI)との共同研究により、ハイブリッド光集積技術を用いたレーザー振動計モジュー…

    2026.10.16
  • トルンプの2025/26年度年次報告書「semicon」の表紙

    トルンプ、2025年度のEUV事業は9.2%増 レーザー事業は減収

    ドイツのレーザー加工機大手TRUMPF(トルンプ)は、2026年6月30日に終了した2025/26年度の業績を発表した。グループ全体の売上高は前年度比0.2%増の43億4,000万ユーロとほぼ横ばいだったものの、受注高は…

    2026.10.16
  • 光探索協会、レーザー搭載ドローンと再帰性反射材で遭難者捜索へ

    NPO法人光探索協会(大阪市)は、再帰性反射材と可変QRコードを組み合わせた「再帰性反射可変QRコード」を利用し、レーザー搭載ドローンによって遭難者などを捜索するシステムの普及を進めている。同協会は、この技術を日印・官民…

    2026.10.16
  • レーザー光学系、正しく理解できていますか? 基礎から学ぶガウシアンビームと光学設計

    オプトロニクス社は、11月10日(火)~12日(木)にパシフィコ横浜で光技術展示会「Photonics Innovation 2026/パワーレーザーPlus 2026」を開催する。その併設セミナーとして、11月11日(…

    2026.10.13
  • 古河電工など、高出力ファイバレーザー技術でPFASの分解効率99.999%以上を達成

    古河電気工業と流機エンジニアリングは、古河電工の「インフラレーザー®」と呼ぶ高出力ファイバレーザーを用いて、有機フッ素化合物PFASを分解する要素技術を開発したと発表した。PFASを吸着した活性炭にレーザー光を照射し、短…

    2026.10.08

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア